外来種・ハイアールはガラパゴス・日本を席巻するのか?《それゆけ!カナモリさん》

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 ECサイト最大手の楽天が、同サイトのヒット商品ジャンルを独自の切り口で集計した「楽天市場2009年ヒット商品番付」を2009年11月26日に発表した。前頭三枚目に「家電の二極化/高価・安価」がある。楽天は「価格破壊による安価化と消費者のこだわりによる高価格化の2極化が著しかった」と分析。安価については「メーカーの宣伝費や卸問屋の中間マージンを徹底的に削減したサードパーティモデルが堅調に推移」とし、高価は「高額ヘッドホンのヒット等、商品機能と消費者ニーズがマッチすると高価格でも売れるということが示された」という。

 昨今の経済情勢を鑑みれば、二極化のうち安価の方にドライブがかかることも想像に難くない。そうなれば、白物家電においては、コストリーダーシップ戦略にモノを言わせることが可能な、世界最大のメーカー・ハイアールが圧倒的に優位に立つことになる。

 ガラパゴスのイグアナが身体を小さくしてしまったように、企業が思っている以上に、日本の消費者心理は小さく縮んでいるのではないか。「身の丈消費」に動いているのではないだろうか。そんな消費者の姿や心理に、もう少し目をこらすべきだと思う。

《プロフィール》
金森努(かなもり・つとむ)
東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道18年。コンサルティング事務所、大手広告代理店ダイレクトマーケティング関連会社を経て、2005年独立起業。青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。
共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。
「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディアへの出演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。
◆この記事は、「GLOBIS.JP」に2010年9月17日に掲載された記事を、東洋経済オンラインの読者向けに再構成したものです。
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