商品開発のために「部活」を作った永谷園の深い訳 名物クリエイティブディレクターの頭の中
電通の営業マンからキャリアをスタートし、独立してサントリー「角ハイボール」他のプロジェクトを手がけている異色のクリエイティブ・ディレクター齋藤太郎の初の著書『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』から、課題解決のアイデアを考えるうえでの重要なポイントを紹介する。
下流だけ見ずに上流を見る
クライアントから、プロモーションの相談を受けることがよくあります。
でも私自身は、課題の解決策を模索するうえで、いきなりプロモーションのことから考えることは基本的にありません。まずビジネスの「上流」に立ち戻り、そこから考えることにしています。
プロモーションというのは、言ってみれば「下流」の話です。できあがったモノを、どう見せていくか、どう売っていくかという、ビジネスの最後の出口付近の話です。
ではそれより「上流」には何があるか。たとえば「プロダクト(製品)」や「プライス(値付け)」があります。さらに上流には「組織・文化」「経営者」「社員」「ビジネスモデル」もあります。
ビジネスに於ける課題解決で「最初から着地点を決める」ことは、本当の課題解決から遠のくことになります。最終的にプロモーションの施策を打つという解決策になるとしても、本当にそのクライアントの課題を理解し、適切な解決策を講じるためには、必ず上流から考える必要があります。そして場合によっては、商品開発や、組織づくりにまで加わることもあります。
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