商品開発のために「部活」を作った永谷園の深い訳 名物クリエイティブディレクターの頭の中

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とある商品開発のために「部活」を立ち上げた理由とは(写真:EKAKI/PIXTA)
ビジネスで課題を解決するときに気をつけなければいけないことは、「下流」だけ見て、そこだけで解決しようとしないことだ。たとえ依頼先から「この商品の販促を手伝ってほしい」と頼まれても、販促を手伝えば課題が解決できるかといえば、そうではないことが多い。本当に解決するためには、上流から見て、そこから着手しなければならない。
電通の営業マンからキャリアをスタートし、独立してサントリー「角ハイボール」他のプロジェクトを手がけている異色のクリエイティブ・ディレクター齋藤太郎の初の著書『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』から、課題解決のアイデアを考えるうえでの重要なポイントを紹介する。

下流だけ見ずに上流を見る

クライアントから、プロモーションの相談を受けることがよくあります。

『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

でも私自身は、課題の解決策を模索するうえで、いきなりプロモーションのことから考えることは基本的にありません。まずビジネスの「上流」に立ち戻り、そこから考えることにしています。

プロモーションというのは、言ってみれば「下流」の話です。できあがったモノを、どう見せていくか、どう売っていくかという、ビジネスの最後の出口付近の話です。

ではそれより「上流」には何があるか。たとえば「プロダクト(製品)」や「プライス(値付け)」があります。さらに上流には「組織・文化」「経営者」「社員」「ビジネスモデル」もあります。

出所:『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』

ビジネスに於ける課題解決で「最初から着地点を決める」ことは、本当の課題解決から遠のくことになります。最終的にプロモーションの施策を打つという解決策になるとしても、本当にそのクライアントの課題を理解し、適切な解決策を講じるためには、必ず上流から考える必要があります。そして場合によっては、商品開発や、組織づくりにまで加わることもあります。

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