野菜ジュースの真実、伊藤園・カゴメに聞いた 主力商品の製法や成分はどうなっているの?

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カゴメ「原材料の産地」のページ

──カゴメの野菜ジュースについてホームページを調べたところ、野菜の原産地に中国産のものも含まれています。消費者から問い合わせが多いのでは?

カゴメ:中国産の冷凍ほうれん草事件の直後で、週に最大1000件の問い合わせがありました。現在は週に30件程度となっています。

──トマトとリンゴが中国産ですね。残留農薬の問題をはじめ、どのような安全対策を取っているか教えてください。

カゴメ:「畑は第一の工場である」との考えの下、中国のみに限らず、品質に関して信頼のおける取引先から、栽培から収穫までの由来の明らかな原料だけを使用しています。

取引先の選定にあたっては、カゴメの品質保証基準に適合しているかどうかを監査しています。中国には「中国品質保証事務所」があり、原料の調達を担当する日本人の社員が駐在し、原料の栽培から加工までの確認を行っております。

なお、農薬については、各国で使用農薬の基準は異なっておりますが、作物に対して使用された農薬を事前に把握し、それらの成分をすべて網羅する検査を加工品に対して実施し、食品衛生法の残留農薬基準に適合していることを輸入段階で確認しています。

中国産の原料の残留農薬につきましては、現地(中国国内)および日本国内で全ロットの検査を行い、食品衛生法の基準に適合していることを確認しております。トマトの加工品は連続生産であるため、30分に1回サンプリングして分析し、リンゴ果汁はすべてのタンクを分析します。万一、基準を逸脱した場合には原料として購入使用しません。

──世界各国の野菜と果実を使用にするにあたり、トレーサビリティのシステムは?

カゴメ:信頼のおける企業と契約を行い、生原料~加工~輸入~使用~製品出荷までのトレースができるシステムを確保しています。万一、いずれかの段階で問題が生じた場合には、問題の生じた原料のロットの特定が可能であり、その原料を使用した製品を出荷しないなどの迅速な対応が可能です。

「1日分の野菜」「野菜一日これ一本」に香料はナシ

──次に「香料」について聞きます。「合成香料は3200以上あり、それらを組み合わせて作る」。しかも「一括表示でOK」というのが問題のようです。伊藤園の野菜ジュースには香料を添加していますか。

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伊藤園「充実野菜」「緑の野菜」は「天然香料」を添加している

伊藤園:「1日分の野菜」は添加していません。ほかの果汁ミックス、たとえば「充実野菜」は香料を添加しています。

──その香料はどんなものですか。

伊藤園:伊藤園は合成香料はいっさい使わないと決めています。化学的な成分の組み合わせだけで作る香料は使わず、天然香料のみです。

たとえば、「充実野菜」はリンゴを主体に使っていますので、リンゴの香りを出すために、リンゴを濃縮する際に出てくる水蒸気を回収し、香りだけをエキス化しています。そういった天然香料を使っています。

──カゴメの「野菜一日これ一本」は香料が無添加ですが、ほかの商品は添加していますか。

カゴメ「野菜生活100」のページ

カゴメ「野菜生活100」シリーズなどの商品には香料を使用しております。植物原料から抽出した「天然香料」です。加熱によって減少してしまう香りを補い、果実の持つおいしさを再現しております。

カゴメの商品に使用している香料は、すべて厚生労働省で使用が認可されたものです。

──「原材料名」に「香料」と書かれているだけでは「天然香料」か「合成香料」か、消費者はわかりませんし、何をどれだけ使っているかも知る術がないようです。野菜ジュースに限らず、さまざまなドリンクや食品に添加されている香料の正体を、たとえば厚生労働省のホームページなどで調べられますか。

伊藤園:それはできないです。

──もし詳しく知りたい場合は、お客様相談室などに問い合わせればいいでしょうか。

伊藤園:はい、お答えできます。

カゴメ:お答えできる範囲で、使用している香料の情報をお伝えしています。使用量はごくわずかな量となります。

野菜の硝酸態窒素、日本でも20年前から少し問題に

──最後に、「硝酸態窒素」の含有量についてお聞きします。「野菜に取り込まれる硝酸態窒素が国際的に問題になっている」そうで、怖くなりました。

伊藤園:日本でも20年ほど前から少し問題視されており、農林水産省のホームページに硝酸態窒素の報告があります。WHO、EU、アメリカが硝酸態窒素の基準値を定めています。専門家いわく、「体の中に入ると、ニトロソアミンという発がん性に変わる」と。

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