──カゴメの「野菜一日これ一本」について伺います。パッケージに「野菜350g分使用」「野菜は、加工によって失われる成分もあります」と書かれています。つまり、野菜を使っただけで、栄養素は失われているのではないですか。
カゴメ:カゴメがお客様に野菜ジュースを提供申し上げるに当たりましては、「野菜摂取の補助」としての位置づけとさせていただいており、このことはホームページなどを通じて、メッセージを発信しております。
ご参考までに転載いたします。
▼カゴメ「野菜ジュースのホント!」 野菜ジュースは飲めば飲むほど健康になるの?
野菜をジュースにすると、搾汁や加熱殺菌などの加工工程によって、食物繊維やビタミンCなど減少する成分があります。しかし、影響をほとんど受けない栄養成分はたくさんあります。鉄分やナトリウム、カリウムなどのミネラルや、野菜の色素であるカロテノイドなどです。「野菜一日これ一本」200mlで摂取できる栄養成分の詳細は、パッケージの栄養成分表示をご参照ください。
また、リコピンやβ-カロテンのように、生の野菜から取るよりも野菜ジュースなどの加工品で取るほうが吸収率のよい栄養素もあります。吸収率は、リコピンでは3.8倍に、β-カロテンでは1.5倍になります。
▼カゴメ「野菜ジュースのホント!」 ジュースにすると、野菜の栄養はなくなるの?
──カゴメの「野菜一日これ一本」のパッケージに「食塩・砂糖・香料無添加」「栄養強化を目的とした添加物は使用しておりません」と書いてあります。こだわりの理由は?
カゴメ:野菜本来の味を味わってもらいたいというこだわりから、できるかぎり添加物に頼らずに作っております。野菜由来の栄養素を摂取いただけます。
ただし、一部の商品については、ビタミンCや食物繊維などの栄養素を添加しています。その場合は、原材料名の欄にすべて記載しています。
※編集部注 カゴメのホームページでも各商品の原材料名を調べられる。
「濃縮還元」は、濃縮→水で戻す
──次に、「濃縮還元」の製法について伺います。「世界各国の野菜を集めて加熱し、ペースト状にして、体積を減らし、輸送コストを下げ、国内で水を加えて戻す」。それを「国内製造」と記載していいのですか。伊藤園の製法と違う点があったら教えてください。
伊藤園:「濃縮還元」の理解はまったくそのとおりです。海外の原材料で、物流費を削減するために濃縮をかける。つまり、加熱して水分だけを飛ばします。そうやって熱をかける「熱濃縮」と、ほかに「凍結濃縮」や「膜濃縮」など濃縮の仕方はいろいろありますが、だいたい「熱濃縮」です。
──「どろどろの濃縮ペースト」にして「体積を6分の1程度に減らす」?
伊藤園:ケチャップを想像していただければいいです。体積は野菜ごとに違います。濃縮しすぎると、焦げくさくなったり味に影響が出てきたりするものもたくさんあるので、トマトだったら5分の1から6分の1、ニンジンだったら6分の1から7分の1程度に減らします。それらを日本の工場で混ぜ合わせています。
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