「ビタミン」「美容」ドリンクは、おカネの無駄? サプリ代わりに飲むと、余計なものまで摂取

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 清涼飲料水の生産量が2013年に初めて2000万キロリットルの大台を突破した(全国清涼飲料工業会調べ)。日本の全人口で単純に割ると、1人当たり年間約160リットルも飲んでいることになる。しかし、ドリンクの“おいしい”宣伝文句にあおられ、中身も知らずに飲んではいけない。この特集では「ヤバすぎるドリンクの裏側」を5日連続で紹介していく。4日目は「サプリメント系ドリンク」の裏側をサプリメントの専門家が教える!
1日目「『カロリーゼロ』、太って病気まっしぐら!」はこちら。
2日目「『野菜ジュース』の成分は“満足感”だけ!」はこちら。
3日目「『栄養ドリンク』『トクホ』に潜む重大問題」はこちら。

 (撮影:今井康一)

※当記事は、田村忠司氏の見解を基に構成しております。多面的な議論を紹介したものではない点にご留意ください。

 D恵(20代)は仕事が忙しすぎて彼氏にフラれた。職場で時短勤務のC美(30代)の分まで仕事を割り振られ、毎日へとへとだ。「俺、女らしい子が好きなんだよ」と最後に言われたのが引っかかる。鏡に映る自分は吹き出物が出たストレス太りの女。父親のA男(50代)のぽっこりお腹を見ると、変わらなきゃと思う。そこで美容と女子力アップのためにビタミンCやコラーゲン入りのドリンクを飲み始めた。絶対、いい男を見つけてやる! 合コン前に、ウコンを飲んでおこう……。

添加物と価格が問題

ビタミンCやコラーゲンなどが入ったドリンクを、健康や美容のために飲む人も多いだろう。

田村忠司(たむら・ただし)
ヘルシーパス代表取締役社長。1965年生まれ。1988年、東京大学工学部産業機械工学科卒業。同年、リクルートに入社。10年間にわたり、通信事業を中心に経営戦略、新規事業立案、マーケティング戦略立案に従事。1998年、「日本老化制御研究所」を擁する日研フードに入社。取締役経営企画室長、サプリメントの製造子会社の代表取締役社長として活動。2006年、「医療従事者が自信を持って使えるサプリメントを提供してほしい」との医師、薬剤師からの要請に応えて、医療機関専用サプリメントの専門メーカー、ヘルシーパスを設立。栄養療法に取り組む医師・歯科医師へのサポート・情報提供のため、日本全国を飛び回る。著書に『サプリメントの正体』がある。

「ドリンクをサプリメントの代わりに飲むのはやめたほうがよいでしょう」と話すのは、『サプリメントの正体』の著書がある田村忠司さんだ。その理由は添加物と価格だ。

「サプリ系ドリンクは糖分や保存料、香料などがどっさり入っているものが多い。保存性を高めるために、熱処理が加わり、ビタミンなどの成分も壊れているかもしれません。効能が疑わしく、摂取を控えるべき成分が含まれているうえに、普通の清涼飲料水より高い。心配な成分がもっと少なくて安く済む方法は、いくらでもあります」

同じ効果を求めるなら、錠剤やカプセルのタイプを選んだほうがいいと言う。田村さんは医療機関専用サプリメントの専門メーカー、ヘルシーパスの代表取締役社長。錠剤やカプセルにも添加物は入っているが、「ドリンクよりはるかに少なく、効果も高いはずです。また、健康上の問題があるなら、きちんと病院に行って薬を処方してもらえば、保険が利いて3割負担で済みますよ」。

主なサプリ系ドリンクの期待される成分と、その効果のほどを田村さんが解説する。

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