美肌効果を期待されるコラーゲン。化粧品でおなじみだが、最近ではコラーゲン入りのドリンクもある。
しかし、口から摂取したコラーゲンがそのまま体内でコラーゲンになるわけではない。コラーゲンに加熱して変性したものがゼラチンで、ゼラチンが細かく分解されたものがペプタイドになり、さらに細かくなるとアミノ酸になる。そのアミノ酸が消化吸収されて、体の必要なところでコラーゲンにまた組み直される。
アミノ酸になるなら、特に害はなさそうだが、「人間をはじめ、動物の肉の3分の1はコラーゲンでできているので、肉を食べれば自然にその3分の1のコラーゲンを摂取していることになります。あえて積極的にドリンクでコラーゲンを摂取する必要はないでしょう」。
同じ効果を期待するなら、ビタミンCと併せて肉を食べればいいのだ。
保湿効果が期待されるヒアルロン酸。化粧品で肌の表面を潤す効果があるが、ヒアルロン酸入りのドリンクもある。
これまた口からヒアルロン酸を摂取しても、意味がない。「ヒアルロン酸は、アミノ酸とブドウ糖の化合物。飲んでもアミノ酸とぶどう糖に分解するだけ。肉とご飯を食べるのと変わりません」。
ここ数年、酵素ブームが続いている。グリーンスムージーが流行し、酵素ドリンクも発売されている。酵素は消化や代謝などの生命活動を促す物質で、消化を助ける「消化酵素」、代謝を助ける「代謝酵素」がある。消化酵素も代謝酵素も体内で作られるが、加齢とともに減少するとされる。そこで食物で酵素を補給しようというわけだ。
だが、口から酵素を摂取しても、意味がない。「酵素はたんぱく質だから、一部の酸に強い消化酵素以外は胃液で壊れ、消化されてしまいます。高い酵素ドリンクを買うのは無駄です」。
では、どうしたら体内の酵素を増やせるのか。「たんぱく質を食べて、体内で作り出せばよいのです。たんぱく質は、連結したアミノ酸ですから、必須アミノ酸がそろっているようなもの、またはそろう組み合わせの食べ物を取りましょう。たとえば、お米と大豆はよい組み合わせです」。つまり、和食である。
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