メンタルヘルス不調者の増加に歯止め--企業におけるメンタルヘルスの実態と対策
民間調査機関の労務行政研究所の調査で、最近3年間においてメンタルヘルス不調者が「増加している」と回答した企業の比率が、2008年の調査時に比べて約10ポイント低下したことが明らかになった。
過去の調査に比べて、メンタルヘルス対策の実施率が向上していることから、企業の取り組みが不調者増加傾向の歯止めに寄与しているのではないかと考えられる。
「最近3年間におけるメンタルヘルス不調者の増減傾向」について質問したところ、「増加している」が44.4%で最も多く、「横ばい」が33.7%、「減少している」が9.5%となった。
前回08年の調査では、「増加している」が55.2%、「横ばい」が24.6%、「減少している」が2.8%であった。回答企業は異なるものの、今回は「増加」が10ポイント程度減少し、「横ばい」と「減少」が増えている。
依然として「増加」が最も多いものの、過去の調査に比べるとその割合は減少の傾向見られる。
回答企業の違いもあるため、 もう少し長期的に動向を見ていく必要はあるが,メンタルヘルス対策に取り組む企業はここ数年顕著に増加しており,こうしたことが増加傾向の歯止めに寄与しているのではないかと考えられる。
欠勤・休職者がいる企業は6割超
メンタルヘルス不調により1カ月以上欠勤・休職している社員が、調査時点において 「いる」と回答した企業は、63.5%と6割を超えている。これは、前回08年調査(「いる」62.7%)と同水準である。