ハマスタ、"座席の窮屈さ"ではワースト級 12球団のホームグラウンドへ行ってみた<5>

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実は各イニングの合間に観戦客をスコアボードに大映しにする観客参加型ゲームでは、ベイスターズは先駆け的存在だ。この日のゲームは、新発売の応援グッズ・纒(まとい)を振るパフォーマンスで観客を競わせ、一番元気に振ったチャンピオンに、「金の纒」をくれるというものだった。

だいぶ前にヤクルトもマネをして傘を振るパフォーマンス競争をやっていたことがある(ここ数年はやっていない)。この時にチャンピオンに賞品として出されていたのが、やはり金の傘だった。

虎ファンだらけの3塁側にも、少数ながらベイスターズファンはいて、まさに孤軍奮闘状態。すぐ近くに座っていたベイスターズファンの小学生が、一生懸命纒を振っていた。

今期こそは黒字転換?

2009年シーズンに124万人だったベイスターズの観客動員数は、その後2年続けて減少。2012年シーズンに若干持ち直して116万人になったが、2013年シーズンは突如前年比122%と大幅増。142万人に達し、12球団中の動員数順位は、前年の最下位から10位へと2つ順位を上げた。しかも8位のオリックスとの差はわずか1万3000人だった。

通い慣れていない球場のことでもあり、この原因を筆者には自信を持って説明することは出来ない。このうちのいくらかはカープファンの功績だと思っているが、それだけでこれだけの伸びは示さないであろうとも思っている。

今シーズンは、筆者が観戦した阪神戦で、観客動員数100万人を史上最速で達成している。過去5年間の球団経営会社の当期純利益は、2009年12月期が5億円の赤字。2010年が100万円の黒字で2011年はプラマイゼロ。DeNAへの親会社交代初年度となった2012年は1億2100万円の赤字で、前期は3600万円の赤字。前半終了時点で観客動員数は改装効果もあるのか前年比12%増。今期こそ黒字転換出来るのかもしれない。

伊藤 歩 金融ジャーナリスト

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いとう・あゆみ / Ayumi Ito

1962年神奈川県生まれ。ノンバンク、外資系銀行、信用調査機関を経て独立。主要執筆分野は法律と会計だが、球団経営、興行の視点からプロ野球の記事も執筆。著書は『ドケチな広島、クレバーな日ハム、どこまでも特殊な巨人 球団経営がわかればプロ野球がわかる』(星海社新書)、『TOB阻止完全対策マニュアル』(ZAITEN Books)、『優良中古マンション 不都合な真実』(東洋経済新報社)『最新 弁護士業界大研究』(産学社)など。

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