ハマスタ、"座席の窮屈さ"ではワースト級 12球団のホームグラウンドへ行ってみた<5>

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座席の取り付け方が特殊で、段差の一番前のところに取り付け具があるので、荷物を入れるスペースとしてはやや中途半端。筆者は通常、30リットルのゴミ袋を持参し、それにすっぽり荷物を入れて座席の下に押し込んでいるが、このスペースだと完全には入らない。

かなりグラウンド面に近いこともあって、段差はわずか9センチメートルしかない。筆者は視界方向側に通路があるような通路沿いの席を選んだので、この段差でも視界は遮られずに済んだが、視界方向と反対側の通路沿いだったら、この段差では視界を確保するのが困難だっただろう。ただ、この球場は人気カードでなければ基本的に空いているので、座席を移動すれば視界は確保できる。

コンコースやトイレに加え、スコアボードも劇的に代わった。相手チームの選手の詳細なデータまで出している楽天には及ばないが、ベイスターズ選手の成績がシーズン通算と当日の両方表示される。それ以外にも対中日打率など、バッターなら対戦相手チームに限定した打率とか、大砲ブランコのハマスタ打率など、興味深いデータが次々と表示される。今、目の前で投げているピッチャーの投球数も出る。

この球場もまた残念ながらブルペンは観客席から見えないが、ピッチャーが交代するときはベンチ奥からでてくるのではなく、内外野の境目のポールの下あたりから、車に乗って登場する。

ピッチャーが車に乗って登場するという演出は、昔はよく見た気がするのだが、今この演出をやっているのはハマスタとQVCマリン、甲子園の3球場だけである。

大忙しのチアリーディングチーム「diana」

チアリーディングチーム・dianaは、11球団(広島東洋カープを除く。第1回 マツダスタジアム広島の魅力とは?を参照)のうち、楽天のエンジェルスに次いで業務量が多い。ゲーム開始20分前のパフォーマンス、ゲーム開始時のホームチーム選手が守備に着く際の送り出しと、ラッキーセブンの盛り上げはどこの球団のチアもやる。ラッキーセブン以外に3回か4回あたりで一度、5回か6回で一度何らかのパフォーマンスがあるというのも標準的だ。この日のdianaは3回と5回の裏前のほか、6回表前にYMCAを踊り、9回裏前にも応援の盛り上げをやったので、標準より登場回数は2回多かった。

ちなみにこの日は中日のマスコット・ドアラとチアリーディングチームのチアドラゴンズも出張してきていて、6回表のYMCAはdianaとチアドラゴンズが入り交じり、1塁側、3塁側双方でコラボで踊った。ゲームは両チーム合計で16人のピッチャーが投じられ、延長12回までやった挙げ句に結局4対4の引き分け。dianaもチアドラゴンズもゲーム終了後の仕事はなかった。

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