「就活エリート」の高笑い、「普通の学生」の涙

就活「2016年問題」で得する学生、損する学生

「ぼんやり高学歴層」は企業へのアプローチ機会が激減

「上位校」に通っていて就職意識が低い層を、「ぼんやり高学歴層」と名付けました。

イメージとしては、課外活動や何かやりたいことがほかにあって、あまり熱心に就職活動に取り組んでいない人や、就職活動自体をかったるく感じていてあまり頑張っていない人が該当します。

この層の人たちはこれまで、内定が取れないということはないものの、内定獲得までにやや時間がかかる傾向にありました。ケースバイケースですが、「就活エリート」と比べて、大体2カ月後くらいに内定を取っている人が多かったのです。

ですが、今回の就活後ろ倒しによって、採用選考の期間は8~9月の2カ月に限られてしまいます。この層の学生は、たとえ上位校であっても、就職意識が低いために時間切れになり、最終的に採用枠からもれてしまうことを心配しなくてはいけなくなったと考えています。

「普通の学生層」が最も損をする

中下位校で就職意識の高い学生を、「普通の学生層」と名付けました。実は、この層に分類される学生が、今回の就活後ろ倒しで最も悪い影響を受けそうなのです。

この層に属する学生は、1990年代まで、いわゆる大手の有名企業に入るチャンスは、かなり少ない状況でした。

連載第1回でも解説したとおり、当時は就職協定が残り、企業が大半の内定者を水面下で決めていました。そのため、大手有名企業のほとんどが上位校の学生のみを候補者として採用活動を行い、中下位校の学生とは、積極的に接触しようとしなかったのです。

しかし、オープンエントリーが始まり、誰でも好きな会社に応募できるようになったことにより、大手有名企業の門戸も開かれ、中下位校の学生の中からも、内定を勝ち取る人が出てきたのです。

しかし、このたびの就活後ろ倒しにより、企業の採用活動は再び水面下に潜ってしまいます。基本的に水面下に潜ったリクルーターによる採用活動は、接触する学生を学校で選ぶので、いかに学生自身が就職意識を高く持っていたとしても、中下位校の学生には接触もしてくれません

次ページ結局、得をするのは「就活エリート」だけ
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