シティバンク銀行、"熱気なき"邦銀の応札

個人金融部門売却の行方はいかに

シティバンク銀行の個人金融部門は33拠点を持つが、売却後はそのリストラが課題に(撮影:尾形文繁)

「この買収は株主の理解を得られるのだろうか」(メガバンク関係者)

9月12日、米金融大手・シティグループの日本法人である、シティバンク銀行の個人向け事業を売却する1次入札が行われた。三菱東京UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクのほか、新生、三井住友信託など計6行程度が応札した。

その本音は「ライバル行が買収したときのための情報収集」(別のメガバンク関係者)程度。買収が「邦銀にとってプラスになる図柄は思い浮かべにくい」(スタンダード&プアーズの吉澤亮二主席アナリスト)のが実態だ。

実は"プチ富裕層"ばかり?

シティ銀の魅力は富裕層の顧客が多い点。同行の口座を維持するには、一定額以上の預金や取引がなければ、月2160円の手数料を負担しなければならない。必然的にそれなりの資産を持つ顧客が集まる。

富裕層は投資信託や保険といった金融商品を購入することも多く、販売手数料などの収入を得られる。どの銀行も富裕層の顧客を増やしたい意欲は強い。

だが、シティ銀の富裕層顧客は、実は“プチ富裕層”に限られる。シティ銀の前身であるシティバンク、エヌ・エイ在日支店は、2004年にプライベートバンク部門4拠点の認可取り消しを受けた。マネーロンダリングと疑われる取引を許すなど、重大な法令違反があったからだ。

次ページ懸念材料はほかにも…
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 近代日本を創造したリアリスト 大久保利通の正体
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「安売り日本」はもう限界、ニッポン再生計画
「安売り日本」はもう限界、ニッポン再生計画
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
勝ち組シニアと負け組シニア<br>定年格差

「45歳定年」発言に対し一部で猛反発。現実には法改正で70歳までの雇用確保が今春努力義務化されました。人生100年時代といわれる今、従来の定年はもはやなくなりつつあります。老後も働くシニアが第二の人生を勝ち抜くためにすべきことは何でしょうか。

東洋経済education×ICT