三井住友、メガバンク収益トップを奪取 3メガの第1四半期は「できすぎ」感も

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三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、三井住友FG、みずほFG――。収益面でみた3メガバンクの「序列」に、足元で異変が起きつつある。

4~6月の純利益は各社とも大幅な増益に

3メガバンクの第1四半期(2013年4~6月)決算が、7月31日に出そろった。純利益ベースでみるかぎり、3メガとも前年同期(12年4~6月)に比べて3割増を超える、大幅な増益となった。

第1四半期は、銀行の収益の中核である資金利益(貸し出しなどの利息から得た利益)が、3メガ各社で増加している。国内は利ザヤの縮小で厳しいものの、海外収益でカバーした。金利の上昇局面にあったため国債の売買益が縮小する一方、 株式市場回復に伴い株式減損が改善、与信費用も引き続き低位にとどまった。

今回の決算では、3メガが国債を大量に売却していたことも明らかになった。6月末時点の3メガの国債保有額は合計で約76兆円、3月末に比べて約24%も減っている。

純利益では三井住友が僅差のトップに躍り出る

中でも三井住友FG傘下の三井住友銀行では、3月末に20.7兆円だった国債の保有残高を、わずか3カ月で11.5兆円まで圧縮した。日銀の国債買い入れオペに積極的に応じたことに加え、「昨秋からインフレを踏まえたポートフォリオに転換していた」(同行担当者)ことが証明された形だ。

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