三井住友、メガバンク収益トップを奪取 3メガの第1四半期は「できすぎ」感も

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実際に、この第1四半期の3メガの業績を比較すると、経常利益と純利益では、三井住友FGがトップに躍り出た。純利益では、三井住友FGが2883億円、三菱UFJFGが2552億円、みずほFGが2479億円と、僅差ながら三井住友FGが、これまでトップだった三菱UFJFGを抜いている。

その主因は、三井住友FGにおける株式売却益が、他の2メガを上回っていたこと。アベノミクスによる株価上昇をとらえた市場部門における運用の巧拙が、直接、決算に反映された。

国債から貸し出しにシフトしたわけではない

昨年の6月末と比べ、三井住友銀行では国内貸し出しを約9600億円増やした。とはいえ、「電力向けやM&A資金などが多く、国内の資金需要は依然弱い」(同行幹部)というのが現状だ。

同行に限らず、3メガが国債を売却した資金の多くは、日銀の当座預金に積み上がっている状況にある。日銀が狙う、「国債から(貸し出しなどの)リスク資産へのシフト」が起こっているとは、現時点ではまだ言いがたい。

第1四半期の決算は、国内の株高に支えられている側面もある。第2四半期以降も、このまま好調が続くかどうかは不透明だ。三井住友FGをはじめとする3メガにとっては、できすぎの四半期決算だったといえるだろう。

(撮影:今井 康一)
 

並木 厚憲 東洋経済 記者

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なみき あつのり / Atsunori Namiki

これまでに小売り・サービス、自動車、銀行などの業界を担当。テーマとして地方問題やインフラ老朽化問題に関心がある。『週刊東洋経済』編集部を経て、2016年10月よりニュース編集部編集長。

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