非日系企業の獲得にメガバンクが決済強化

続々と新サービスが登場、欧米銀行を追撃

9月16日から、アラブ首長国連邦のドバイで「サイボス」と呼ばれる国際会議が開かれる。世界の銀行などから決済ビジネスの関係者が集まる、金融業界でも最大級のイベントだ。ユーロ危機への対応などと並び、今回の大きなテーマの一つが貿易決済の電子化。そこで三菱東京UFJ銀行のある案件が紹介される。

7月下旬、三菱UFJは資源メジャー、ブラジルのヴァーレがアジア向けにニッケルを輸出する際の貿易決済サービスを提供した。同行がヴァーレの貿易決済を担うのは初めて。取引獲得の決め手になったのが、BPO(バンク・ペイメント・オブリゲーション)と呼ばれる、貿易取引における銀行間の電子決済だ。

貿易取引には大別して送金取引とLC(信用状)取引がある。送金取引が主流だが、新興国企業が絡む貿易では、銀行が支払いを保証する、LC取引へのニーズは根強い。ただ、LC取引は貿易書類のやり取りが多く、船積みから決済まで平均11日かかる。これがBPOでは約4分の1の3日に短縮できる。

三菱UFJはBPOの契約企業を2014年度までに100社程度へ増やすことを目指す。「海外では非日系企業の取り込みが課題だが、BPOは取引開始の大きなきっかけになる」(トランザクションバンキング部の疋田智一・上席調査役)。取引がなかった非日系企業にBPOで食い込み、ほかのビジネスにもつなげていく。ヴァーレにはBPOを契機に輸出債権の買い取りサービスも提供した。

LC取引の電子化サービスは一部銀行でも行われているが、これまで国際ルールがなかった。7月、貿易慣行を定める国際商業会議所がBPOを国際ルールとして正式に承認。いち早く対応した三菱UFJの案件がサイボスで取り上げられるのだ。

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