非日系企業の獲得にメガバンクが決済強化 続々と新サービスが登場、欧米銀行を追撃
三菱UFJとは違うアプローチだが、非日系企業の決済サービス獲得に力を注ぐのはみずほ銀行も同様。同行はグローバル企業も多く加盟する「ボレロ」と呼ばれる貿易取引のネットワークに参加。ボレロではLCだけでなく、荷物を受け取る権利を証明する船荷証券なども電子化できる。それにより、みずほは今春、豪州の大手資源会社の中国向け輸出案件で決済サービスを獲得した。
ボレロは中国向けの取引で利用が拡大しており、中国商工銀行など中国4大銀行がそろって参加を表明している。「今後、日中間の商流獲得に向けた武器にもなる」(みずほ銀行の吉山純一郎・グローバルトレードファイナンス営業部次長)。
資金管理の新サービスも
三井住友銀行は、複数通貨にまたがる資金の流れを、企業が本社で一括管理できる新サービスを10月に開始する。国内外拠点の資金の“見える化”だけでなく、今後の必要資金を予測できることが大きな特長で、企業は資金調達コストや事務負担を軽減できる。すでに東芝と三井金属が先行導入しており、今後は海外企業にも採用を働きかけていく。
リーマンショック以降の金融規制の強化で、金融機関はリスク投資で稼ぎにくくなった。一方、1件ごとの手数料は小さいものの、安定収益が見込める決済ビジネスの重要性が再認識されている。決済を入り口に、融資などほかの金融サービスにつながることも多い。
国際的な決済ビジネスでは高度なシステム、グローバルな拠点網を武器に、欧米銀行が先行している。対する邦銀は「顧客サポートに重点を置きながら、取引を拡大してきた」(石塚敏夫・三井住友銀行トランザクション・ビジネス本部長)。新サービスによって非日系企業にどこまで入り込めるか。本領が試される。
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