インドで日本人社員をテロから守るにはどうするべきか?

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そして増加傾向なのは、5番目の「一般的なイスラム過激派」によるテロです。他のテロリストとの違いは国際的でネットワークが広く、アルカイダに代表される国際テロ組織との結び付きがあり、パキスタンやバングラデシュのテロ組織、武器密輸組織とも連携が取れています。そのため資金が豊富で装備も大きく、テロの規模も大きくなり、解決しにくいのが特徴です。

08年には都市部でテロが頻発し、11月にはムンバイでテロが起きましたが、連続テロの犯人はラシュカレタイバというイスラム過激派やイスラム神学校の生徒などが関係しているとも、また背後にはパキスタンが関連しているともいわれておりますが、何ともいえません。

特にパキスタンは軍が強い国で歴史を見るとたびたび軍事クーデターが起こります。その軍も一枚岩ではなく、諜報機関が非常に権力を持っており、今のように軍事政権でない場合は政治家が解決できない問題が多すぎます。そのためインドとパキスタンの外務相が話し合ってもパフォーマンスになりがちです。

また、パキスタン側のメディアでは「インド側の陰謀」だと非難しています。こういった状況では、テロ発生の背後にある真因が何かは容易につかめません。

日本人が活動する地域という点で、カシミール過激派やナクサライト、北東部諸州の過激派は当てはまりません。これらのテロが発生する辺境地域ではテロ自体が日常化し、ニュースは毎日のように流れています。これはインド人もあまり気にしません。発生場所としては、都市部で発生する宗教上の過激派テロが最も脅威だと思います。

--その後、テロ対策は進んでいるのでしょうか。

以前から至るところ地下鉄など公共施設やマーケット中心部などでもボディチェックが行われていましたが、私自身の感覚でも公共インフラ施設では、やはり以前より警備が厚くなったような気がします。たとえば空港の入り口では土嚢が積まれ、機関銃を持った人たちがいたりします。

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