インドで日本人社員をテロから守るにはどうするべきか?
インドといえば、治安の悪い国というイメージはあまりない。しかし、実態はどうなのか? 宗教対立があり、貧富の差が大きいインドの治安が日本と同レベルということはありえない。
実際に2008年のムンバイでのテロでは、日本人が1人死亡している。また、小規模のテロは少なくないが、日本で報道されないだけだとの指摘もある。
日本企業はインド駐在員をテロから守るために、何をしなくてはならないのだろうか?
インドビジネスに詳しい株式会社ネクストマーケット・リサーチの須貝信一代表取締役に聞いた。同社はインド、南アジアの企業・金融・経済情報の提供のほか、インド進出支援コンサルティングなどを行っている。
--日本人社員がインドへ赴任するうえで、本社側人事部が気にすべきこととして、インドの治安についてお聞きします。2008年の11月にムンバイで大きなテロがあり、邦人の犠牲者も1名出ました。インドは危険な国なのでしょうか。テロ、その対策状況や避ける方法などについてお聞かせください。
2008年のムンバイテロは、特殊な例だと思いますが、最近はテロの質が変わってきています。従来型のインドで発生するテロといえば、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の対立による宗教紛争や政治結社によるものなど、反体制的なものが多く見られました。
そのため外国人が出入りするような場所での無差別テロは少なかったのですが、07~08年にかけては明らかに外国人がいそうなところでの無差別テロが頻発しました。昨年や今年はテロが少ないですが、だんだん無差別化してきていることは確かです。