中国・労働争議の教訓--盲点は駐在員の赴任後教育だった


窓口は基本的に一本化されているが、各々の部署も関与できる補完体制をつくり上げている。2008年から窓口となる人材の教育の義務化と強化を実施し、どういう事態が起きても対応できる組織と人材を配置した。

駐在者の人事についても、「業務をこなす力を持つことはもちろんですが、加えて、現地事情をよく理解している人が中心になっています」(佐藤氏)。

特に、現法社長などに対してはその立場に必要な専門教育に4カ月もかけるという。

駐在者は、中国人社員の技能や気持ち、中国の文化、習慣、ルール、常識などを理解したうえで彼らとコミュニケーションを密に取っておかないと、日頃のちょっとした誤解や不信が積もって、ある日突然、大きく噴出することになりかねない。

また、常時通訳付きでないと中国人社員とコミュニケーションが取れないようであれば、信頼関係も濃くはならない。

「日本語だけで十分仕事はできる」という、偏った考えはやめた方がいい。企業も駐在員の意思と努力だけに任せるのではなく、語学習得を支援する義務を果たさなければならない。

最も重要なのが駐在後の人材教育

今回の工場ストライキでは、日本人駐在員の給与の高さもやり玉に挙がった。日本と中国で支払う二本立ての給与体系を採る日系企業もあるが、現地での一括払いだと中国人社員との待遇差は歴然としている。不満が出るのは当たり前だ。

中国人社員は日本人駐在員の給与や行動を注意深く見ている。

昼休みに日本人だけで固まってランチに行く様子を中国人社員から冷ややかに眺められていることを忘れてはいけない。経理部門の仲間を通じて駐在員の現地給与額が中国人社員に漏れることも承知しておかなければならない。

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