永遠の課題「やる気欠乏症」をどうする? 「カネ」や「好き」だけでは長くは持たない

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厚生労働省は『2014年版労働経済の分析』(労働経済白書)を公表しました。少子・高齢化で労働人口減少が想定される中、すべての世代が積極的に参画できる社会「全員参加社会」の構築が必要と提言しています。

この中で面白いのは、そんな社会の実現には「就労意欲」を引き出す人材マネジメントが必要と分析していること。さらに就労意欲により、企業間で経常利益率に差がついているとの指摘には驚きました。

ちなみに日本だけでなく、世界中に求職活動をする意欲を失った「就業意欲喪失者」が大勢います。統計上は非労働力人口に含まれますが、潜在的な失業者と言えます。

就業意欲のない人は、アベノミクス効果でやや減少してきたとも言われますが、依然、大きな社会問題のひとつであることに変わりありません(今回は深堀しませんが)。筆者は、会社が就労意欲を引き出す人材マネジメントをするか否かで、就業意欲喪失者の増減に大きく影響する気がしてなりません。では、具体的にはどうしたらいいのか? 考えてみたいと思います。

自分でやる気を出すのには、限界がある?

「仕事に対して動機づけができない。だから、やる気も上がらない」

と悩むビジネスパーソン。その動機づけが“モチベーション”という言葉で注目されるようになったのは10年くらい前からでしょうか、誰でもモチベーションは上がったり、下がったりするもの。大事なことは下がったときに早く立て直すこと、高い状態を維持するためモチベーションの源泉(リソース)を自分なりに押さえておくことです。そのリソースを探し、気づくための研修を導入する会社も急激に増えました。それまでは、

《仕事のやる気なんて、自分でコントロールするのが当たり前》

と考えられていました。ところが、会社が社員のやる気を高める努力をするようになったのです。時代は変わったものだ……と嘆く、諸先輩方もたくさんいました。ただ、会社として社員がモチベーションを高く維持することが生産性や業務効率を上げる要因になるのであればと、取り組むべきと判断したのでしょう。不況期にはモチベーション向上の施策を後回しにする企業もありましたが、求人倍率も上がり、人材不足になると取り組み度合は変わり、

「人材採用に加えて、人材確保のためにもモチベーション向上施策を前向きに取り組んでいます」

と答えてくれる会社が急増しています。

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