超難問「働かないオジサンのやる気を上げろ」 人事部の困惑、本音、挑戦

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毎日お疲れの「働かないオジサン」……そのやる気を引き出す意外な秘策とは?(写真:アフロ)
「なぜあの人は、働かないのか?」「働かないオジサンの4類型」「働かないオジサンにならない4つの働き方」など、研究の集大成がついに刊行!
どこの職場にもいる、「働かないオジサン」――若手社員の不満が集中する彼らは、なぜ働かなくなってしまったのか? 「どこの職場にもいる」ということは、何か構造的な問題が隠れているのではないか? ベストセラー『人事部は見ている。』の筆者が、日本の職場が抱える問題に鋭く迫る。
※ 本連載が、単行本になりました。
人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人』(税込み1404円)。
働かないオジサンが生まれる構造的な要因を特定し、その要因を避けて何歳になっても成果を出す「4つの働き方」を解明。さらに「働かないオジサンにならない7カ条」もついた、「働かないオジサン」研究の集大成です。

 

悩める人事担当者

長年、メーカーの人事部で働いている知人のA氏が先日、私の元を訪ねて来てくれた。彼は人事制度の設計を担当している。今は部長の補佐役で、部内でも年長の部類に入るが、若い頃にも一時期、同じ仕事を担当していた。彼は、会社が成長・拡大していたときは人事制度の立案・設計もやりやすかったが、社員数が減少傾向になると、人事制度の設計はとたんに難しくなると実感しているという。

人事部内には、人事企画の担当者が2人いる。ひとりは、若手・中堅社員の研修の企画・実施、および管理職への登用選考を担当している。

A氏は中高年担当。具体的には、中高年社員の活性化、出向政策、再雇用制度の定着が専管事項である。喫緊の課題は、まもなく50代になるバブル期に大量採用した社員の今後の処遇である。60歳以降の再雇用社員の職務開発にも悩みが多いという。

彼は、「中高年に愛を込めて」の意味から、人事部内で「(綾小路)きみまろ」と自称していたが、最近は「働かないオジサン担当(笑)」と言われたりするという。今までほとんど行われてこなかった中高年を対象とした研修を、新たに実施する予定なので、私のところに話を聞きに来てくれたのである。

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