携帯3社のiPhone6、どれが「買い」なのか LTEエリア、VoLTE対応などを検証

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NTTドコモは2.1GHz帯に割り振る帯域を3Gから移行させつつ、LTEのパフォーマンスを上げてきたが、エリアカバーに関しては混雑状況に応じた対応を進めてきた。じゅうたんのように一面に展開するよりも、効率的にデータトラフィックをさばくようにエリアを作りつつ、その範囲を広げていくというやり方だが、今年度末(来年春)までには現在の3Gネットワーク(FOMAネットワーク)と同等のエリアを完成させる見込みだ。

CA対応に関しても同時期までには対応するとのことで、混雑が少なく快適に使える(すなわち空いている)東名阪バンドをアグリゲートするという。ドコモの場合、CAの対応が遅れているというわけではなく、2.1GHz帯に多くの周波数を持つためにこの周波数帯でのLTEを強化してきた。このためCAしなくとも2.1GHz帯で広帯域のサービスが可能になっている。そこに東名阪バンドのCAが加わり、2.1GHz帯の混雑が緩和されれば、既存端末の利用者への利点(混雑緩和)もありそうだ。

ソフトバンクは子会社資産の活用がカギ

一方、CAの導入は遅れるものの、長期的に見れば今後のネットワーク整備の進み具合で優位に展開できる可能性があるのがソフトバンクだ。ソフトバンクのLTE網は2.1GHz帯が主力だが、都市部を中心とした人口密集地でのデータ通信に強い旧イーモバイルのLTEバンド、旧ウィルコムのTD-LTE(AXGP)バンドなどの既存資産を活用できる。

なお、どちらも明確な人口カバー率などを出していないため、感覚的な評価になってしまうが、AXGPのエリアはWiMAX2+よりも広い。まだ発売前の状況では比較しようもないが、TD-LTEの活用という面ではソフトバンクの方が優位になる可能性もある。

ただ、ソフトバンクのCAは2015年度以降に導入とのことで、まだその詳細はわかっていない。幅広いエリアでCAを活用する鍵は、同社がプラチナバンドと呼ぶ900MHz帯でのLTEサービスを全国展開に進めることだが、まだ一部でのサービス開始に留まっており、その整備状況にも依存するだろう。また同時に2.1GHz帯のLTEも人口カバー率を高めていかねばならない。

しかし、契約者数あたりの割り当て周波数が多いという事実もあり、ソフトバンクがセオリー通りにネットワーク整備を進めるならば、むしろ有利という見方もある。多くの人が2年縛りの購入契約を選択していることを考えれば今だけではなく、将来を見据えて考えることも重要だ。

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