布団の天日干しで「ダニが死滅」という大きな誤解 どこを対策すべき?「ダニが多い場所ベスト10」

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ダニ対策の基本とは(写真:asu0307/PIXTA)
子どものアレルギーに悩み、自身もアレルギーで悩んでいるという人は少なくありません。ダニ研究50年の高岡正敏氏によると、ダニは薬品や熱にも強いタフな生き物。対策のポイントは、ダニが繁殖しにくい環境をつくること。ダニの数が増えなければ、ダニのアレルゲンも減っていくといいます。髙岡氏の著書『お父さん、お母さんが知っておきたい ダニとアレルギーの話』よりダニ対策の基本について解説します。

ダニ対策は「殺す」と「増やさない」の2通り

お子さんのアレルギーを防ぐには、ダニ対策がたいへん重要です。ダニ対策には大きく2つのアプローチがあります。

  • ①ダニを殺して、死滅させる(=殺滅法)
  • ②ダニがすみにくい環境をつくる(=環境対策)

結論から先に言ってしまうと、アレルギーに有効なのは「②の環境対策」です。私たちはダニを殺す①の方法に目を向けがちですが、ダニをいくら殺しても、ダニの死体やフンなどアレルゲンは残ります。

ダニの死体は時間がたてばバラバラになってより細かな粒子になり、空中を漂って、人間が吸い込んでしまいます。

アレルギー対策としては、①の「殺すだけ」ではあまり意味がなく、もうこれ以上ダニを増やさない。つまり、②のダニがすみにくい環境をつくることが大切です。そのうえで、こまめに掃除し、ダニとダニの死骸やフンなどダニ物質を除去することが重要になります。

とはいえ、増えすぎたダニを殺す必要も出てくるでしょう。ダニを殺すにはどんな方法があるでしょうか。

熱を加えれば、たいていの生物は死んでしまいます。ダニも例外ではありません。しかしアレルギーの原因になる「チリダニ」という種類のダニは意外に熱に強いのです。私が行った実験でも、チリダニは50℃の温度で1時間以上生きていました。50℃といえば、お風呂なら熱くてとても入れないレベルです。

そんな熱さで1時間も生きられるのですから、ダニは本当にタフな生き物です。熱でダニをやっつけようと思ったら、55℃以上の温度で30分以上加熱する必要があります。家庭でこれができるのは、衣類乾燥機かふとん乾燥機でしょう。これらを使えば、衣類やふとんのダニは殺せますが、畳やじゅうたん、ソファーや床にいるダニには使えません。

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