布団の天日干しで「ダニが死滅」という大きな誤解 どこを対策すべき?「ダニが多い場所ベスト10」

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日光に干す方法もありますが、表面は55℃以上になっても、ダニは日光が当たらない裏側や中側に逃げてしまうので、ほとんど殺すことができません。駆除業者は熱を使った特殊な方法で、ダニをやっつけます。彼らはマイクロ波(電子レンジに使われています)と高周波を組み合わせた誘電加熱装置を使います。

この装置で加熱すると、数分で内部まで一気に70℃以上に上昇させられます。ふとんや畳、カーペットなどはこれで加熱すれば、ダニは確実に死にます。ただし家具など障害物があると、うまくマイクロ波が行き渡らないようです。

一般家庭で行うには、コストがかかるわりには、効果が期待できないこともあるのが難点です。

アレルギーには「殺す」より「増やさない」

ダニを殺しても、ダニの死骸やフンは残ります。つまりアレルゲンは残り続けます。ですからアレルギーという観点から見ると、ダニを殺すだけではあまり意味がありません。

もちろん、ダニを死滅させたあと、死骸やフンなどアレルゲンを掃除機できれいに吸い取れば、しばらくはアレルギーの発症をおさえられるでしょう。

でもダニがいたということは、ダニが生息できる環境があったということですので、いずれまたダニは増えて、元に戻ってしまいます。何しろチリダニの雌が1匹いれば、3カ月後には100万匹に増えているのですから。ダニが増えない環境にしない限り、永遠にいたちごっこは続きます。

ということは、お父さん、お母さんが、お子さんのアレルギーを予防または改善させたいなら、ダニを殺すより、ダニが生息しにくい環境をつくることに力を注ぐべきです。

つまり環境対策を行うことが、抜本的な解決策になります。アレルギーを改善するダニ対策はダニを殺すことではなく、ダニが増えない環境をつくること、すなわち環境対策だと理解してください。

環境対策を行うには、ダニの発生源はどこなのか、彼らが生息、繁殖している場所を知っておく必要があります。ダニは家の中のどこにでもいます。私はアレルギーのお子さんがいるお宅で、寝具や畳、カーペット、押し入れ、ソファー、玄関マット、引き出しの中など、さまざまな場所のほこりやごみを採取し、ダニの数を数えました。

ほかにもたくさんの家庭で、ダニの生息場所の調査をし、その結果を整理したところ、家庭よってバラつきがありますが、ダニが多く生息するのは、だいたい次のような場所になることがわかりました。

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