4代目までは僕が直接育てる[下] 孫正義・ソフトバンク社長が激白60分!
キーカンパニーへどんどん配属
――持ち株会社のトップとしては、「もしアマゾンの日本進出時に合弁会社を設立できていれば」「もしツイッターへ出資できていれば」と悔しく思うこともあるのでは?
いっぱいありますよ。でも300年単位で見れば、チャンスはいろんな形で訪れる。ウェブ型の組織というものは、今はつながっていなくても、長い目で見ると結局つながっていくこともある。また、一時的にある局地を失ったとしても、別の角度でまたその陣地に入れることもある。いろいろあるわけですね。
僕がウェブ型組織にこだわっているのもそこにある。ネットワークのアーキテクチャを考えればわかるように、一つのサーバーに集中させるような中央集権型のアーキテクチャはリスクに弱い。中央のサーバーがボトルネックになり、そこにリスクが全部集中してしまう。成長の限界も生まれる。それに対し、ウェブ型経営はスピードも速いし、自己進化、自己増殖のスピードも速いし、大きな環境の変化に対して強い。それを結果論として実現したのではなく、最初から戦略的に意図して、しかも情報革命だけに絞ってやり始めたのは、ソフトバンクが史上初ではないかと思う。
――ソフトバンクアカデミアでは300人に対して後継者教育を行う計画です。
300人から、グループ会社5,000社のキーカンパニーへどんどん配属されていく。社長あるいは副社長という形で。ですから、グループの中核の企業の経営者軍団、事業家軍団をつくっていることにもなる。
その中の1~2人が僕の後継者になる。でも、実際は20代、30代、40代だけでなく、一部は50代も入れる。僕が引退するまで十数年ありますから、今10代の人も入ってくる。僕が初代だとすると、4代目までの統治者に対し、僕が直接触れ合うことができる。