わが子を可愛いと思えない人へ罪悪感なくす方法 私が育てなければ!という考えはいったん置く

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そうすると、その「信頼」の姿勢そのものが、子どもに対する「心の耕し」になり、その子は、親に守られている安心感を覚えられるとともに、自分の未来を築こうという、主体的な気持ちになれるのです。

この、「親からの信頼」という姿勢の、「心の耕し効果」は絶大です。親ができる、子どもの「心の耕し」の中でも、最大級に効果的な手段の1つです。

子どもの「自ら育つ力」を信じる

皮肉な話なのですが、子どもにあれこれ具体的に期待して、「こういう人になりなさい」「こういうことができるようになりなさい」と、ムキになって植え付けている親ほど、その姿勢自体が、子どもに対して、「私はあなたを信頼していません。

だから、私の言うとおりに動いていればいいんだよ!」という意図として伝わってしまい、結果的にその姿勢が、主体的に生きられない、無気力な子にしてしまいます。

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下手をすると、心が干上がり、カチカチに固まってしまうかもしれません。だから私はその点において、「私には子育てのセンスがないんです」と自覚している親というのは、ある意味チャンスだと思っています。

自分でセンスがないと自覚しているわけだから、子ども自身の成長や能力開発は、「その子自身の育つ力」にゆだねればいいわけです。

そして、あなたが毎日せっせとその子の心を耕してあげれば、その子自身の育つ力は、最大限にアップします。

そのうえで、最低限やってはいけないこと(柵の設定)だけは、あなたが責任を持って、きっちり教えて守らせるようにすれば、あなたはまったく自分の子育てセンスを使わずに、周りにいる大半の「自らのセンスを使って子育てをしようとしている親たち」以上の子育ての結果を出すことができるわけです。

人はどうせ誰でも、何かについてはセンスがあって、何かについてはセンスがありません。だから、何もわざわざ、自分にありもしないセンスについて「あるはずなのに!」としがみつき、嘆き続ける必要はないわけです。センスがないなら、ないなりに工夫して、望む結果に近づけばいいし、そもそも人間というのは、そういうふうに生きるものだと思います。

Joe モラハラ対策カウンセラー

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じょー / Joe

1976年生まれ。典型的なモラルハラスメントの関係にある両親の元に生まれ、幼少期を過ごす。その経験を通して、モラルハラスメントをする人・される人の心理を知り、その後徐々に、周囲の同様の環境にある人たちに、モラハラ対処のアドバイスをするようになる。現在は、世の中の「離婚できない事情のある」モラハラ被害者を対象に、モラルハラスメントの被害を受けないためのメソッドを伝えるため、「離婚しないモラハラ対策カウンセラー」として、個人カウンセリングや各地での講演などの活動をしている。著書に『離れたくても離れられないあの人からの「攻撃」がなくなる本』『私を振り回してくるあの人から自分を守る本』などがある。

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