クリスマス直前!「婚活ツール」の適切な選び方 アプリ・相談所・支援センターそれぞれの特徴

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筆者は全国複数の自治体の結婚支援センターと仕事で関係しています。昨年はマッチングアプリ大手企業と共同で3000人を超える方の大規模アンケート調査も実施しました。また、結婚に関する統計的な事実をもとにお伝えする講演会には、やはり全国の結婚相談所、夫婦支援団体等の方が参加され、「そんな成婚実態だったとは」という多くの声もいただきながら、交流を続けています。

特定の婚活媒体(アプリ、相談所、自治体センターなど)の広告塔ではないため、婚活媒体の活動や関連データを客観的に「おふたりさま作り力」の視点からみています。そんな筆者が考える「クリスマス直前、婚活媒体別メリット・デメリット」を紹介してみたいと思います(ちなみに筆者は異業種交流会で知り合い仲良くなった同年代女性の友人、が現在の夫です)。

① 結婚相談所

【結婚相談所の一般的な傾向と課題】

筆者が婚活をした約20年前にも存在した古くからある婚活媒体です。20代の男女、とくに若い男性の登録がかなり少なく、同世代の女性余りの状況です。30代では徐々にその差は縮まるものの、やはり女性が占める割合のほうが大きく、そして40代以上になると急に男性の割合が高くなります。

結婚相談所が加盟する各連盟が総数では男女比を公開していますが、全体数の男女バランスよりも「男女比を年齢層別に見ると『年の差婚』的な構造」という状況がマッチングのしにくさにつながる、との声が相談所からは寄せられています(データも見せていただいていますが詳しくは読者が検討されている相談所に聞いてみてください)。

となると、年の差婚の成立が統計的には難しい昨今、そもそもの母集団のバイアスにより、マッチングが難しい、というのがこの媒体の課題であることを結婚相談所が多数集まる首都圏、中部エリアの相談所の皆さんからお聞きしています。婚活媒体としては歴史もあり、ご存じの方も多いと思いますが、登録料、紹介料、成婚した場合の成婚料など、さまざまなサービスに対してそれなりの金額が必要となります。

婚姻届を全件分析した結果から見ると結婚相談所は、統計的に最も成婚しやすい20代の男女のマッチング媒体というよりも、個々の相談所の方針次第とはなりますが、従来型の「男性上位婚」を希望する方に会いやすい母集団の傾向にある、ということは言えると思います。

※詳細な実態については「平成 29 年度結婚情報サービス業調査に関する報告書」神林龍(一橋大学経済研究所)児玉直美(日本大学経済学部)などを参照ください。

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