クリスマス直前!「婚活ツール」の適切な選び方 アプリ・相談所・支援センターそれぞれの特徴

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【結婚支援センターの活用法】

地方では、深刻な少子化と20代独身男女の就職による県外転出が多く、とくに女性が男性より多く転出超過で減少しています。結婚支援センターは、そもそもマッチング相手の女性との出会いが少ない地方の若い男性の悩みに最も親身に寄り添う媒体でもあります。地元で自営業や会社員として働くことを希望される方は、地元のセンターや自治体主催のイベントをチェックしたほうがいいでしょう。

また、料金が非常に安価なのもこの媒体の特徴です。だいたい1年から2年の更新で、登録料は1万円から2万円程度です。でも、安いからと言ってダラダラ婚活するのは本末転倒ですので、安価に迅速に、をモットーに頑張れるならば、自治体婚活を頼らない理由はないでしょう。地方になるほど、高齢の男性登録者が多くなる傾向がありますので、逆に若い男性にとっては非常に有利な展開が望める婚活場所の1つともいえます。

【結婚支援センターが向いている人】

洋服を購入しに行くとき、店員さんにどう接していいかわからない、何を見てもらったらいいのかわからない、さらに、これまで服は親が選んだ服を適当に着てきたので何が合うのかよくわからないし、なんとなく行きつけのお店でしか買ったことしかない。自分によく合う服が欲しいもののリーズナブルに見つけたい、というタイプの方には、おすすめといえると思います。

自治体型のセンターは地元の事情をよく知っている方が支援員になっているケースが多く、地元ならではの男女の付き合い方の特徴や家族観などをよく知っているうえでアドバイスをもらうことができる場合が多くなります。

ただ、最初にも書きましたが、エリアによって、取り組みへの姿勢に濃淡がある、支援内容もそれぞれに異なるケースも多い、という状況です。まずは、地元の結婚支援センターやイベントを検索して、ご自身で相談してみることが非常によいと思います。お話ししてみた結果、自分の考え方と極端に異なる場合は、他の媒体を検討する方法もあるでしょう。

また、自治体によってはITマッチングを導入しているところもありますので、支援員の方のアドバイスが不要であれば、ひたすら独力で活動することもできます。

ただし、半年を超えても成果につながらない、またはお申し込みが拒否あるいはスルーされ続けるといった状況ならば、支援員にアドバイスを求めないと、いたずらに年齢だけが上昇し、ますますマッチングが難しくなることに留意しましょう。

タイムリミットを決める重要性

読者の皆さんは『島耕作』シリーズで人気漫画家となった弘兼憲史さんをご存じでしょうか。彼のベストセラーとなった著書に『夢は9割叶わない。』があります。

一見、絶望的なタイトルに見えますが、その中身は「夢を夢に終わらせず、実現可能なステージに転換して、夢を目標に変える」ためのアドバイスが書かれています。シンプルにまとめると「夢を勝ち取りたいならダラダラするな、タイムリミットを決めなさい」とおっしゃっているのです。日本ではプロセスを美化する傾向があり、「こんなに頑張った」アピールが好きな国民性があるのかもしれません(弘兼さんも著書でそのことについて触れています)。

しかし、「藝大(と弘兼さんは例に挙げていますが)を6回も受験している」といって結果を出せない場合、周囲から「頑張ってるね」と言われるかもしれませんが、夢が叶う可能性は決して高いとは言えません。頑張る自分、いつかは叶うだろうと夢見る自分に酔っている場合ではない、ということです。

弘兼さんは漫画家としての成功を夢見る青年たちに、「自分は30歳になってもヒット作が出せないなら、漫画家の夢はあきらめる、と決めて、当時勤めていた会社(松下電器、今のパナソニック)を退職しました」というエピソードを伝えています。そして見事に、間もなくしてヒット作を出されています。

天賦の才の発芽も、運命の人との出会いも、期限を決めて真剣に活動するという覚悟を決めたその先にある、ということについては、まったく同じことではないか、そのように思います。

天野 馨南子 ニッセイ基礎研究所 人口動態シニアリサーチャー

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あまの かなこ / Kanako Amano

東京大学経済学部卒。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。1995年日本生命保険相互会社入社、99年より同社シンクタンクに出向。専門分野は人口動態に関する社会の諸問題。総務省「令和7年国勢調査有識者会議」構成員等、政府・地方自治体・法人会等の人口関連施策アドバイザーを務める。エビデンスに基づく人口問題(少子化対策・地方創生・共同参画・ライフデザイン)講演実績多数。著書に『未婚化する日本』(白秋社・監修)、『データで読み解く「生涯独身」社会』(宝島社新書)等。

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