EV普及の壁「充電」の難題を解決するスゴ技の正体 驚異の新技術により電動車の時代は必ず来る!
藤本博士によると「2025年までにタイヤ1輪あたり25kW を2輪分、すなわち合計50kW 電力を伝送効率90%以上で送る技術の開発」が目標とのこと。「それってすごいの?」と思ったあなた。想像してみてください。例えば、地面に埋められた長さ1mのコイルの上を時速36㎞で走行すると通り過ぎるのにかかる時間はたったの0.1秒! このあいだに自動車がきたことを検知してコイル状に送電。そして通り過ぎたら放電をやめるのです。極めて難しい挑戦であることがわかっていただけたでしょうか。
「柏の葉スマートシティでの実証実験を成功させ、その後何ヶ所でも成功させていく。その結果をもって国際的に提案するのが、われわれの道だと思っています」
これは、テレ東BIZのインタビューでの藤本博士の言葉です。私はこの言葉に強い信念を感じます。きっと、やり遂げてくれると信じています。
スピードは違っても、目指す場所は同じ
電動車の時代にしても、水素社会にしても「そんなものは無理に決まっている」という意見を目にすることがあります。その意見の理由として「◯◯ができていない」「◯◯の問題が生じる」といったことが述べられていますが、研究者はそれらをもっともっと早い段階から見つめ、真剣に考え、それに向けたさらなる研究を着実に進めているのです。
私たちは、今、目の前にある技術と比較してしまいがちですが、その技術だって、何十年もの時を経て今の姿になっているのです。そんな、何十年もかけて完成した技術とこれからの技術を比較して「不完全だ」と感じるのは当然のことだと思いませんか。
電動車の時代1つとっても、関わるすべての技術が同じスピードで完成されるわけではありません。欠けている部分を見つけ「できない」と言ってしまうのは簡単ですが、それらを可能にする技術を開発することは、簡単ではないのです。
そのような背景を知った上で、様々な研究や技術開発を応援し、完成された未来を想像してワクワクできる人が日本の社会に溢れることを、私は願っています。
最後に、ちょっとだけ、想像してみてください。今まで捨てられていたものから、新しいエネルギーが生み出される社会。1回の充電で1000㎞走行可能な電池がある世界。走行中に知らぬ間に充電されていく道路。それらはすべて、人間が考え出した実現可能な技術なのです。
前回:日本発「木から作るクルマ」が夢物語ではない理由(12月20日配信)
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