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EV普及の壁「充電」の難題を解決するスゴ技の正体 驚異の新技術により電動車の時代は必ず来る!

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  • 坂田 薫 化学講師、8bitNews「SCIENCE NEWS」担当
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では、どこで走行中ワイヤレス給電をおこなうのでしょうか。藤本博士らの研究によると、街中では走行時間のおよそ4分の1、すなわち1時間のうち15分程度は信号待ちをしているため、信号手前30mの範囲にコイルを埋めれば、かなり高い確率で充電できるとのこと。また、高速道路だと10㎞あたり3㎞の区間にコイルを設置するとバッテリーの電力を消費せずに走行できるようになるのだとか。これなら、充電が不十分な状態で出発しても安心ですね。

大容量電池か、走行中ワイヤレス給電か

しかし、ここまで読んでくださったみなさんは疑問を感じませんでしたか?「大容量の電池ができたら走行中ワイヤレス給電は必要なくない?」と。そう思ってしまいますよね。わかります。実は私も、同じ質問を藤本博士にしてしまいました。藤本博士から返ってきた答えは、次のようなものでした。

「大容量の電池がすべてを解決できるわけではありません。大容量ということは、充電もそれなりに時間がかかるということです。現在の家庭用の電源だと、数日間充電して満タン。急速充電でも3時間程度を要するはずです。現在、急速充電器のある公共の充電スポットは1回30分までとなっているところもあります。30分経つごとに並びなおして充電を繰り返さなくてはいけません。これを避けるために大量の急速充電器を高速道路のサービスエリアに設けるとしたら、サービスエリアごとに変電所を設けるレベルになってしまうでしょう」

なるほど。大容量電池ができたらすべて解決というわけにはいかないですね。

電動車の時代では、いくつかの技術が上手く共存しているのではないでしょうか。例えば、長距離を走る大型車は燃料電池車。生活の中で長距離走行することがある人は大容量電池を搭載した電気自動車。近郊のみで使用する人は小型の電池だけを搭載した電気自動車。ただし、いずれもフル充電で出かける必要はありません。走行中ワイヤレス給電があるから。すべての技術が揃うと、誰もが豊かな生活を送れる電動車の時代がやってきそうですね。

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【困難な挑戦……でも、できる!】

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