いったい日本、あるいは世界におけるチケット市場の規模は、どのくらいあるのか。西山氏の説明によると、チケットの一次流通と二次流通の市場規模は、2014年時点で以下のような規模のようだ。
一次流通:約6000億円
二次流通:約300億円(一次流通に対して約5%)
一次流通:約1.6兆円
二次流通:約5000億円(一次流通に対して約30%)
一次流通:約3兆円
二次流通:不明(少なくとも5300億円以上)
日本でも1000億円市場に成長?
「アーティストのライブや演劇、スポーツがチケット販売の主要分野です。日本では一次流通市場(入場料売り上げの合算)は約6000億円ありますが、それに対する二次流通の規模は約300億円と5%程度。米国では二次流通比率が30%を超えているので、日本でもまずは15%程度の約1000億円まで市場が伸びるよう、啓蒙していければと思います」
日本は米国と比べてチケットの二次流通市場比率が低い。国内ライブエンターテイメントの年間ユニークユーザー数は2700万人といわれているが、実際にヤフオクなどの二次流通でチケットを購入するユーザー数は200万人ほど。チケットの二次流通があること自体知られていない。
「チケットストリートはヤフオクやYahoo!ショッピング、DeNAが運営するモバオク、楽天が運営する楽天オークションともデータベースを連携して販売しています。当社の売り上げに対する外部プラットフォーム比率は3分の1以下ですが、ヤフオクでのチケット売り上げの伸びが当社の売り上げの伸びに反映される確率も高く、外部プラットフォーム経由の売り上げの伸びも期待できます」
マクロで見ると本特集第一弾のメルカリの記事中にも記載した通り、ヤフオクなどのC2Cモールは今後も成長性が見込める。チケットでいうとヤフオクとSBIの子会社が運営する「チケット流通センター」が二強といわれており、その二社で市場シェアのかなりの部分を占めるようだ。ただヤフオクのようなオークションではトラブルも多く、被害総額はここ数年で2倍となり、そのかなりの比率がチケット詐欺だという。
「オークションではチケットカテゴリーは場として荒れており、当社のような取引の安全性を担保できる事業者が求められているのではないかと感じます」
チケットストリートはC2Cではあるが、事業者が間に入り、取引の安全性を担保する「安心プラス」という制度もある。通常取引よりも手数料がかかるが、確実な取引をサポートしてくれる。販売者登録の際は身分証明書の提出などクレジットカードを作成と同様のレベルでの審査を実施している。チケット詐欺の被害に遭わないようにするためにも、二次流通での確実性の高い取引には需要があるといえるだろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら