「メルカリ」、米国進出で一気に勝負へ 激闘C2C市場最前線を追う<1>

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 スマホシフトによりPCはYahoo!オークション(ヤフオク)の独壇場だったC2C市場の牙城が崩れる可能性が出てきた。スタートアップではさまざまなC2Cサービスが2012年ごろから生まれてきているが、勝敗がはっきりついてきた段階に入ってきたといえる。C2C特集1回目ではダウンロード数400万を超えるフリマアプリ「メルカリ」代表取締役の山田進太郎氏に話を聞いた。

 

高いユーザー再訪率の秘密

C2C(消費者どうしが行う商取引)サービスを行うメルカリは2013年7月からサービス提供を開始。わずか1年弱で400万ダウンロードという急成長を遂げた。その間には総額約18億円の資金調達を基に、2014年5月に開始したフジテレビの人気番組「テラスハウス」出演者の筧美和子などを起用したテレビCMによってユーザーを獲得してきたという背景がある。

「テレビCM開始時点ではダウンロード数は約200万でしたが、開始後約1カ月で100万ダウンロード伸びました。テレビCMで成長確度が上がりました。ダウンロード数が伸びてもアクティブ率(デイリーアクティブユーザー=DAU率やマンスリーアクティブユーザー=MAU率)は維持できています」

■メルカリの事業データ
ダウンロード数:400万
出品数:1日10万品以上
流通総額(成約金額):月間10億円
ユーザー層:開始当初は女性のほうが多かったが、最近は男性比率が上がった。地方在住者の比率が高め
海外展開:米国支社を設立済み。2014年内に展開開始

 

DAU率やMAU率は「非公開」とのことだが、「通常のECサイトを参考に想定されるよりは高いのではないか」と山田氏は言う。

「Amazonや楽天は何か買うものがあって訪れるユーザーが多いのではないでしょうか。一方でメルカリは何気なく訪れる気軽さがあり、無目的にtwitterを開く感覚に近いと感じています。何かないかなと細切れの時間にウインドーショッピングをする感覚です」

気軽に訪れられる雰囲気があるのが、ユーザー再訪率の高さに結び付いているというのが山田氏の考え。確かに、Amazonや楽天の目的型に対して、メルカリのようなスマホフリマアプリは、可処分時間が十分ありそうな地方在住者層と相性がよさそうだ。

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