チケットストリート、二次流通拡大への挑戦 激闘C2C市場最前線を追う<2>

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 C2C市場といえば本特集第1弾で紹介したメルカリのようなスマホフリマアプリが注目の筆頭株といえるが、ジャンル特化型の興味深いC2Cサービスもある。チケットの二次流通市場を攻める「チケットストリート」を運営するチケットストリート代表取締役会長西山圭氏と同代表取締役社長山本翔氏に話を聞いた。
山本翔社長(左)と西山圭会長(右)

 

価格が暴騰する不健全なチケット二次流通市場

チケットストリートは2011年8月に設立されたが、そもそもの事業自体はある個人エンジニアが2004年から運営しており、その事業を西山圭氏らが事業譲渡を受けて始めたという経緯がある。

「私はアサップネットワークという会社の代表を務めていましたが、同社の事業の一つとしてではなく、チケットストリートは単独でエクイティストーリーを描ける成長確度が高い事業だと判断し、アサップネットワークで手掛けるのではなく、チケットストリートという別会社を設立しました」

立ち上げにおいてはC2Cの定石らしく出品者側から集めた。かつてのDeNA「ビッターズ」の立ち上げを参考に、ヤフオクの出品者に声を掛け、リスティング広告を打つなど地道に出品者を獲得していった。

「チケット売買で儲けようというユーザーは少なく、何かしらのアーティストのファンというユーザーが売り手も買い手も多い。売り手が買い手になるし、その逆も然りです」

■チケットストリート事業数値
掲載チケット枚数:約1万枚(2014年9月4日時点)
流通総額(成約金額):月間1億円台
販売実績のあるユーザー数:数万人
購入実績のあるユーザー数:販売実績の4倍程度
ユーザー層:年代は問わず女性比率が高い
販売者手数料:8%
購入者手数料:3%
海外展開:eBay子会社であるstubhubと資本業務提携を締結

チケットの二次流通市場は、「金融のオプション商品に似た値動きをする」と西山氏は興味深い指摘をする。

例えば、一次流通でチケットが販売されて完売する。その直後に二次流通で出回るチケットは高値が付きやすい。その後、時間の経過とともに価格が下がっていき、需要があれば公演日に近づくにつれて上がり、需要がなければ下がり続けていく。

「一次流通で完売したチケットが二次流通に出回り始めるとオークションで急騰し、おかしな価格が付くことがあります。二次流通が市場として認知されれば、そのようなおかしな値付けもなくなると考え、チケットにおける二次流通市場の認知を上げていきたいと考えています」

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