「アイスバケツチャレンジ」を批判するな

景気と株価の足を引っ張る、残念な人たちの正体

藤野 批判している人の意見のなかでちょっと面白かったのは、「寄付なんて気持ち悪い。この手のものは公的機関が税金を使って支援するべきだ」という意見が多かったことです。民間が公的なことをやるのは良くないことで、公的なものは公的機関が行うのが正当であると思っているようです。

それは、社会に対して貢献すべき自分という姿が見えていないというか、公的なものに対して自分は常に受け身で良いというか、そういう考え方の人がとても多いという印象を受けました。パッシブな存在というかね。

個人投資家にコツコツ投資を説く「草食投資隊」の地道な活動が、いま実り始めている(セゾン投信社長中野晴啓さん(左)、コモンズ投信会長渋澤健さん(中)、レオス・キャピタルワークスCIO藤野英人さん(右)

中野日本全体「くれない族」っていうか、すべてはお上がやってくれるものだという、日本人特有の考え方ですよね、それって。民主主義の世の中って、お上から支配されているのではなく、相互扶助じゃないですか。国は単なる一機能であって、そこに国民全員がいろいろなものを拠出し合い、そこから皆で分配を受けるというのが基本構造なのに、その意識が欠けているんです。

一方で権利ばかりが意識されていて、国が国民の面倒を見てくれるものだと考えている人も少なくない。国がやってくれることをただ待つだけでなく、自分たちの力で公的に役立てることもたくさんあると思うのですが。

「失望最小化戦略」をとる人が過半数に?

藤野実は先日、ふと気づいたことがあったのです。出張などで日本全国歩いているじゃないですか。最近は新幹線も飛行機も、ホテルも一杯で予約がとても難しくなっている。でも、マクロ指標は厳しいんですよね。街角景気も暗いよくない。なぜか。いろいろ考えてみると、積極的に移動している人と、全く移動しない人という両極端に分かれているんですね。

積極的に移動している人というのは、ビジネスの最前線に立って、それこそ世の中を動かしてやれという気概を持って動いている人。全く移動しない人というのは、自宅と会社、もしくは学校の間を移動しているだけで、それ以外のアクションを取ろうとしない人。別の言い方をすれば、未来に対して希望を持とうとしている人、持とうとしない人の違いということになるでしょうか。

で、希望を持とうとしない人は、何をやっても無駄だから、無駄に終わった時の失望感を最小限にするため、何もしないようにする。僕はこれを「失望最小化戦略」と言っているのですが、そういう人が特にこの10年で、かつては3割程度だったのが、6割程度まで増えたような気がします。ここが、マクロ景気の浮揚を妨げている原因です。でね、またそういう人たちが、氷水を被った人を批判している気がします。

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