年末の「強気相場」の後にやってくるもの 黒田バズーカ第2弾で消費税10%は決定的?

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 めっきり秋めいてきた今日この頃。黒田バズーカ第2弾が放たれたこともあり、12月には、2015年10月の消費税率引き上げを決断する可能性が高まってきましたが、もし消費税を10%に上げなかったら?草食投資隊の3人は、消費税率引き上げの可能性と、経済や株価に及ぼす影響をどう見ているのでしょうか。
金融緩和の第2弾を実施した黒田東彦・日銀総裁。これで消費増税は決定的となった(撮影・尾形文繁)

渋澤 相次いで2名の閣僚が辞任を表明して、さらに小渕さんの後任は、政治活動資金の不明朗な使い方が指摘されています。ごたごたが続きますね~。リベラル系新聞社の論調は、70%が消費税率の引き上げに反対しています。

経済には明らかなブレーキだが・・

藤野 消費税率の引き上げといった、国民にとって痛みの伴う増税は、内閣の人気が高い時に実施するというのがセオリーなのですが、ここに来て安倍内閣に対する支持率が低下してきています。2人の閣僚を早いうちに辞任させたのは、ごたごたが長引くほど支持率の低下を招く恐れがあるからでしょう。早めにけじめを付けて、支持率が落ち込まないうちに消費税率を引き上げたいという狙いが見えます。

中野 でも、消費税率を引き上げると、経済的にはかなりのブレーキになると思いますよ。実際、4月に消費税率を8%まで引き上げた時には、その後、経済は急ブレーキがかかりましたから、明らかに上げ時を誤ったとしか言いようがありません。税率の引き上げは、景気が過熱気味の時にやらないとダメ。

渋澤 僕は逆に、今回はしっかり消費税率を引き上げないとダメだと思います。景気が良くなってからなんて言っても、それがいつになるかわからない。2020年になれば団塊世代の中心が75歳になりますから、いよいよ社会保障負担なども重くなってきます。だから今のうちに引き上げておくことが不可欠です。これまでは政治が混乱していて、なかなか実行に移せませんでしたが、今はそれでも比較的、政治は安定していました。このチャンスを逃してはなりません。

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