年末の「強気相場」の後にやってくるもの

黒田バズーカ第2弾で消費税10%は決定的?

藤野 これまで安倍政権はスキャンダルと無縁でしたからね。国民も安心して見ていられた。

中野 でも、政局はちょっと混迷の度を増しています。

渋澤 今回の「うちわ騒動」は、明らかに政権への揺さぶりでした。目先の政局に使われているのがみえみえ。

藤野 まあ、単なる偶然なのだと思いますが、マーケットの混乱があったのと、2人の閣僚辞任がタイミング的に合ったのは、何となく因果関係があるようにも見えますね。悪いことは重なるものだという。

中野 少し気になるのですが、アベノミクス叩きが大きくなってきたように感じますね。今まで円高が不景気の元凶だと言っていたのに、円安になると、今度はインフレリスクが高まるとか何とか言い始める。おかしな話ですよ。明らかな偏向報道ですよね。あとは、なかなか賃金が上がらないという批判も多いのですが、当たり前じゃないですか。

そもそも少しくらい景気が良くなったからといって、企業はすぐに賃金を上げたりしませんよ。これでもう大丈夫だとなって初めて賃金を上げてくるわけですが、それにはタイムラグがあります。アベノミクスが始まったのは2012年末でしょう。それからほぼ1年と11カ月。景気自体、ガンガン盛り上がっているという感じではありませんし、この状態では賃金をどんどん引き上げていくようなムードにはなりません。

二極化する日本人の行動

渋澤 消費税の引き上げ云々については、11月と12月に速報値が発表される7~9月期のGDPがどうなるかということでしょうね。ただ、ここで注意しなければならないのは、対前年同期比とか前期比で判断しないことでしょう。

大事なのはGDPの絶対額の長期的な推移です。たとえば、アベノミクスが始まる前に比べてGDPの絶対額が減っていれば大問題ですが、そのような落ち込みはない。経済は緩やかでも順調に回復していると考えて良いでしょう。今の景況感は、出張時に宿泊先がなかなか取れないという点からもわかりますが、決して悪くはないと思います。

藤野確か、前回も触れたと思いますが、日本人の行動が今、二極化しています。それは動いている人と動いていない人です。民主党時代に比べれば株価も上がっていますし、ビジネスチャンスも格段に増えています。

だから、自ら積極的に動く人にとっては、今の環境は結構居心地が良いのですが、まったく動こうとしない人からすると、消費税率の引き上げ論争をはじめとして、円安も自分にとって非常にデメリットに感じる。株高だって、本来ならポジティブな材料のはずですが、株式を持っていない人からすると、何となく損をした気分になってしまう。そういう動かない人が世の中のかなりの部分を占めていて、まったく消費をしなくなっています。だから、しまむらやイオンの売上げが落ち込んでいるのです。

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