まだまだ、あこぎな業者がいる葬儀業界、遺族が落ち着く時間を作りたい--日本初・遺体用ホテルを開業したニチリョク・寺村久義社長に聞く
だが「お任せします」という言葉は、葬儀屋がいちばん待っている言葉でしてね。葬儀屋が自分たちのやりやすいようにやってしまう。それを何とかね、故人らしい、喪主らしいなど「らしさ」が出る葬儀を行うためにも、遺族には時間的余裕があったほうがいいと思うんです。
亡くなってすぐに葬儀屋が決まってしまったら、その瞬間からもう葬儀屋の主導で行われちゃう。一呼吸置くことによって「らしい葬儀」ができると思うんですよ。そこで故人にラステルにいったんお泊りいただいて、故人の顔を眺めながら、どういう葬儀にしようかと家族で思案していただく。
その結果、こういう葬儀をしたいと決まったら、何軒かの葬儀会社を呼んで、自分がやりたいと思っている葬儀にぴったりの提案をする葬儀会社に決めていただきたいんです。
ここでいちばん大切なことは、葬儀会社と喪主との息が合うというか、そりがあうことなんです。葬儀は特に短期間ですべてが終わってしまうので、気持ちの合わない葬儀会社に依頼してしまうと、つねに何かノドにつっかえた感じで進行するんじゃないかな。そうなると後悔も多くなる。
--このラステルで葬儀会社から相見積もりが取れるんですか?
できます。喪主や遺族の方が複数の葬儀社に連絡を取られて、相見積もりを出させればいい。ラステルの5階には相談室も設けていますので、そこで各社の担当者を呼んで相談をされればいい。
--身内が亡くなった直後は、パニックに陥っているので、考えている余裕がない。時間をあげるからじっくり考えましょうと言われても、なかなか葬儀のことを考えることは難しいのではないでしょうか?
そこは確かにその通りかも知れません。実際、やってみないとわからない。ただ、考えるのが面倒なので葬儀屋にお任せします、と言ったら、100万円の予算が300万、400万円になることもあるんです。本当にあこぎな業者はいるんです。