まだまだ、あこぎな業者がいる葬儀業界、遺族が落ち着く時間を作りたい--日本初・遺体用ホテルを開業したニチリョク・寺村久義社長に聞く
死んだ方を扱うのは本当に大変な商売です。最近は孤独死も増えていて、発見されたときのにおいなども大変。そういう状況でも扱うのが葬儀屋。身内の人だって、ちょっとでもにおい出ているとなかなか近づきがたいものです。
スタッフにしてみれば、それができるのは仕事であっても、給料がいいからなんです。さらに町場の葬儀屋さんなんか今日、葬儀があると、次はいつ葬儀が入ってくるかわからない。ですから、儲けられる時に儲けておかなければというのが葬儀屋さんの考え方です。
待ちの仕事なんですよね。自分たちの斎場のある場所で、近隣の誰かが死ぬのを待っているしかない。
■今後、葬儀単価は、ますます安くなっていく傾向に
--葬儀会社は「お任せします」という言葉を待っている、とのことですが、ニチリョクだって葬儀会社ですよね。どこが違うのですか。
価格を明確に表示しているかどうかでしょう。ウソをつける会社かどうか。規模が大きくなると、一物二価というのはありえない。
そもそもわれわれは上場企業ですから、内部統制上、同じ様式のものを、こちらには100万円ですと提示して、別の人に200万円と提示することなどできないのです。それが家族単位や小規模でやっていると、極端な話、契約書がなくとも「はい、200万円です」といえる。
しかし、われわれはいわゆる価格破壊をしている訳ではありません。ネットなどを見ると、もっと安い業者はたくさんいます。直葬なら20万円以下で行う業者もいる。当社は31万5000円ですから、それらに比べれば決して安くない。しかし、直葬であっても、しっかりしたお見送りができます。