マンダムが拓く、男性用化粧品の未踏領域 創業家出身社長はミドル市場をどう攻める?

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2020年、2030年となるにつれ、アジアは一大消費地となる。アジアで量的拡大を取り込んでいくことが必要だ。ただ、アジアは平均値で見てはいけない。

たとえば、1人当たりGDPは、インドネシア全体では3500ドルを超えてきているが、ジャカルタ近郊では1万ドルに限りなく近づいていると思う。3500ドルというのは平均なので、あまり意味がない。

都心部では日本の商品を求める、しかも日本と同じ価格帯で買ってくださるお客さんがどんどん増えていることも事実だ。逆に地方都市に行けば、整髪料を小分けにして小袋(サシェット)に入れ、割安にして売らなければ売れない。

フィリピンなどは、まだまだサシェットの売り上げが大きいエリア。そういう商品が必要な客も多い。国別でみるのではなく、より細かく所得階層別にとらえて商品を出していくという、きめ細かなマーケティングが必要なのだ。

アジアに経営資源を集中投下

――10年後のマンダムをどのようにとらえているか。

トルコや中近東を広域のアジアとみれば、40億の人々がいる。しかも、みんな黒髪に黒目という、日本人と似通った容貌をしている。つまり、われわれの商品が展開しやすいエリアだ。チャンスがあり、何らかの縁があれば、(西欧など)ほかの地域に展開することをネガティブに考えることはないが、あくまで経営資源を集中投下していくのはアジアだ。

アジアはホットマーケットなので、世界に冠たる化粧品会社がすべて出てきている。カテゴリーキラー的にスキンケアはここが強いとか、ボディケアはここが強いとかある。だが、男性用のトータルグルーミングを提案できるのは、うちしかない。ギャツビーが提案するトータルグルーミングの世界観は貫き、アジアでオンリーワンのグローバルカンパニーとして成長していきたい。

※ 詳しくは「週刊東洋経済」2014年9月6日号<9月1日発売>掲載の「核心リポート03」をご覧ください

筑紫 祐二 東洋経済 記者

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ちくし ゆうじ / Yuji Chikushi

住宅建設、セメント、ノンバンクなどを担当。「そのハラル大丈夫?」(週刊東洋経済eビジネス新書No.92)を執筆。

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