マンダムが拓く、男性用化粧品の未踏領域 創業家出身社長はミドル市場をどう攻める?

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一方、美容室では、ヘッドスパのようなスカルプケアを行っているところは少ない。メンズ向けのグルーミング化粧品やメニューを持っていないところがほとんど。そこで、理美容専門店向けにミドル脂臭対策の専用商品を開発するとともに、美容室のメニューに、ヘッドスパとか、炭酸を使って脂を浮かしながら頭皮を清潔にしていく施術も提案している。

美容室も興味は抱いているようだ。最初からそれほど大きな数字は期待できないが、美容室カテゴリーはこれまで攻めたことのない分野でもある。じわじわと広がればいい。

闇雲に攻めても仕方がないが、今までになかった、可能性のあるところは攻めていく。100%の確証などと言い出すと、一歩も踏み出せなくなる。将来の光が少しでも見えてくれば、思い切って踏み出さなければならない。何もしないことがリスクとなる時代だ。

アジア規模で発想しよう

――失敗してもいいからやってみろという社風がある?

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カンボジアでの販促風景

チャレンジするというDNAが社内にあるかといわれれば、不満なことも多い。チャレンジであるとか、自己変革力であるとか、DNAの中に組み入れようとしているところだ。現在、第11次の中期経営計画を推進中だが、第10次の中計が始まったときから、そう言い続けている。

それと、すべての仕事をアジア規模で発想しようとしている。どうしても本社サイドは、これは国内の仕事、これは海外と、固定観念的に分けてしまいがちだ。そうではなく、アジアで展開している以上、33億人を相手にしている意識で、その人たちに向けて発信していかなければならない。

当社は、同一ブランドの異種製品を多国間で展開するのが強みだった。ところが、それが多国間で同一製品の同時展開が可能となりつつある。これまでは縦割りの組織で国ごとの展開をしてきたため、グローバルな展開をするとき、それぞれの国の意向が優先されてきた。だが、それでは各国同時発売はできない。そこで日本で統轄している責任者が、横串を刺して、グループ全体に指示を出せるようにした。

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