マンダムが拓く、男性用化粧品の未踏領域 創業家出身社長はミドル市場をどう攻める?

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われわれは、スカルプケアを除いた6割の部分では45%弱くらいのシェアを握っている。だが、若者をコア・ターゲットにしていることもあり、残り4割は1ケタ台の下のほうしかシェアがない。このため、われわれも加齢に伴うさまざまなトラブルに対応できるような商品を出さなければ、という思いがあった。

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マンダムが展開する、ミドル脂臭対策の商品群(撮影:今井康一)

若年層向けグルーミング(身だしなみ)マーケットで大きなシェアを持っているが、国内の人口構造の大きな変化、これからの市場特性を考えた場合、ミドル・シニアのマーケットを攻めていかなければならないというのは自明の理だ。

これから日本の成熟した市場で成長していくには、カニバリゼーション(共食い)などの問題を回避しながら、強い部分をなお強固にし、さらにシェアを持っていないエリアに入っていくことは単純明快な解決策でもある。

もともと男性の加齢に伴う基礎研究は、ずいぶんと過去から行ってきた。その中の1つの成果として、2013年の秋にジアセチルという、汗臭さ、加齢臭に次ぐ、第3の男の体臭、男性ミドルに特有な臭いの存在を解明した。このミドル脂臭を防ぐ物質も研究し、この春に対応するケア商品を発売。その後、シリーズ化させてきた。

身だしなみへの意識が向上

――ミドル脂臭対策という新たな市場を創造するだけでなく、理美容専門店向けの販売チャネル構築にも乗り出しました。

ミドル・シニア男性の、エチケットや身だしなみへの意識が高くなっている中で、美容室を使っている男性の割合は全体の3割くらい。40歳代で20%、50歳代で9%くらいが美容室を使っているというデータがある。ただ、2007年の50歳代は1%に過ぎなかったが、2012年には10%弱まで増えた。40歳代も5年前は14%くらいだったのが、今では20%とずいぶんと変化してきている。

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