永守重信「人の心をつかんでこそリーダーだ」 日本電産の創業者がいま世の中に訴えたいこと
困難は〝解決策〟をつれてやってくる
人生とは、苦楽が交互に織りなす〝サインカーブ〟である。どんな人の人生でもよいことと悪いことは50対50になっており、多くの苦しみを経験したあとには、必ず大きな喜びがやってくる。
したがって困難や逆境の中にいるときこそが、飛躍のチャンスなのだ。だから、けっしてそこから逃げてはならない。どんなに強い逆風であろうと、敢然と向き合い、それを乗り越えていくことだ。
2008年、リーマンブラザーズの破綻に端を発する大恐慌が全世界を襲った。大きな危機感を感じた私は、図書館に向かった。「100年に一度の危機」だというなら、かつて世界を襲った世界大恐慌について調べてみようと思ったのだ。大恐慌をたくましく生き残った企業の実例をいくつか探しだし、成功の要因をさぐった。そして、目の前の危機に対処する独自の解決策を見出すことができ、多くの企業が軒並み赤字を計上するなか、当初の予想だった莫大な赤字を抑え、黒字を達成することができたのだ。
「困難は必ず解決策を連れてやってくる」という信念を私はもっている。だから、逃げずにその困難にしっかりと向き合い、解決策をつかみとることだ。
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