柳井正氏、早大生に「人生のピーク論」を語る 「人は必ず死ぬ、それまでに何ができるか」

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「100メートルを9秒9で走ろうと思う人しか、そのように走ることはできない」。柳井正氏(66歳)は学生、若手経営者に向けて熱く語った。(写真は2015年12月撮影:風間仁一郎)

「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が1月19日、母校の早稲田大学で、学生や若手経営者ら約300人を相手に「対話による勉強会」を2時間にわたって行い、「日本で一番足りないのは起業家精神だ」と強く訴えた。

柳井氏は冒頭、「先日、ソフトバンクグループの孫正義社長、日本電産の永守重信会長兼社長と3人(永守氏と柳井氏はソフトバンクグループの社外取締役を務めている)で話したが、僕らは執念深く、最後まであきらめない。みなさんは私を超えてすごくいい経営者になり、日本と世界をいい方向に変えていってほしい」と強調した。

寝る間を惜しんでも、スキルをつけるには10年

学生に向けたアドバイスは独特なものだった。「人間の能力のピークは25歳だ。一生は一回しかない。みなさんいつかは確実に亡くなる。そのときまでに何が出来るか。未来に向けて何ができるか。それを考えることが起業家として成功する要因だ。世界中にチャンスがあふれている。人と違ったことをして欲しい」と語った。

ただ、学生から「圧倒的なスキルを25歳までにつけるにはどうすればいいか?」という質問が出ると、「それは無理だ」と断じた。

柳井氏は「どんな仕事でもスキルをつけるには、毎日寝る暇を惜しんでも10年ぐらいはかかる。それでも、一番早くスキルがつく方法は自分で事業をすることだ。わからないことがあれば、事業をやっている人に聞いたらいい。ただ、スキルだけつけても、少しだけ儲かって一瞬で終わるだろう。世の中に対して何がいいことかを考えることが重要だ」と返した。

若手経営者に向けてもアドバイスを送った。「経営者は満足したらそこでおしまいだ。世界中には自分より良い方法でやっている経営者がたくさんいると思うべき。今は世の中がどんどん変わっており、最大の変革期にある。中でもグローバル化とデジタル化の波が大きい」と指摘した。

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