日本電産が赤字会社を速攻で再生できたワケ

企業を建て直すにはまずカルチャーを変えよ

永守重信社長の下で「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」を体現する文化が浸透している(撮影:今井康一)
2050年、日本の総人口は24%減り、15〜64歳の生産年齢人口に至っては40%も減少してしまう。国内需要が急収縮し、世界市場は中韓台勢が台頭するレッドオーシャン。そんな苛烈な時代こそ、「スピードと徹底」の日本電産流カルチャーが武器になると力説する。『日本電産流「V字回復経営」の教科書』を書いたDANTOTZ consulting代表の川勝宣昭氏に詳しく聞いた。

意識改革、企業カルチャーを変えろ

──日本電産といえば、買収した五十数社すべてをほぼ1年以内に黒字化させてきた会社ですね。

再建に向かう際、永守重信社長から真っ先に言われるのが、意識改革、企業カルチャーを変えろ、です。再建メソッドに対する受容マインドをまず上げておく必要がありますから。そしてA3の紙を1枚ポンと渡される。日本電産芝浦の再建のときは「1年以内の売上高倍増」、そしてたった1行「営業マン1人当たり訪問件数月100件」と書いてあった。月20件だったのを100件に上げれば、引き合いは増え受注件数は増え、売上高は上がる。従業員全員をやる気にさせる、そこを徹底するカルチャーにするのです。

日本電産のスピード感覚はハンパなものじゃない。会社全体にスピード感が行き渡り浸透している。見積もり作成に1週間もかけるな、より早く、ライバルよりも断然早く。他社なら1カ月かかる試作品も1週間で仕上げろと。ライバルはついていけなくなり次々脱落していった。最終的には精密小型モーター世界シェア80%を達成するわけですが、競合が消えても手を抜くことがない。会社のDNAとしてしみ付いているわけです、スピード感覚が。

そして会社の機関車は営業、開発・工場は支援部署。市場にいちばん近い部門が会社を引っ張れと。

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