永守重信「人の心をつかんでこそリーダーだ」 日本電産の創業者がいま世の中に訴えたいこと

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どんなに隆盛を極めた事業でもピークアウトは必ず訪れる。したがって、中長期的な視点に立って次の一手を打つことが何よりも大事なのだ。

物事には、変えてはいけないものと変えていかなければならないものがある。変えてはいけないものとは、会社でいえば理念、社是、あるいは基本精神。こうしたものは、いわば土の下の根っこである。

求められる「知的ハードワーキング」

しかし一方で、土の上の枝葉はどんどん変えていかなければいかない。たとえば、その一つに労働時間がある。創業当初、実績も信用も人手も設備も資金もなかった私たちは、「人の倍の時間働く」ことしかライバルに追いつく術はなかった。この時代は「長時間労働」こそが「ハードワーキング」の定義だったのだ。

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しかし、いまはハードワーキングの定義もだいぶ違ったものになってきた。肝心なのは競争相手に勝てる仕事をしたかどうかである。つまり、結果がすべてだということだ。肉体ではなく頭脳をフル活用する「知的ハードワーキング」が求められるのだ。

私はいま、京都先端科学大学の理事長を務め、「人を育てること」に情熱を注いでいる。これからの乱世で大切なのは「自ら考えて、行動すること」である。型にはまらない「とんがり人材」が求められているのだ。

若い人には、まず「一番」になれるものを早く見つけてほしい。どんな人でも才能と実力をもっているはずである。それが見つかれば、自信をもって人生を歩んでいけるはずだ。そして「大ボラ」を吹いてほしい。旗を掲げて夢を叫ぶからこそ、「成しとげる力」を発揮することができるのだ。

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