和田アキ子への批判が「強い応援」に激変した事情 今、TikTokでバズる71歳歌手の圧倒的なすごみ

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もし和田さんが本当に“パワハラの象徴”のような人物だったら、親子以上に年齢が離れている人のプロデュースはプライドが許さないのではないでしょうか。また、そんな年齢やキャリアの枠を超越した和田さんの魅力は、フラットな目で見られる若年層のほうが理解できるのかもしれません。

水族館で観客の一体感を生み出した楽曲

余談ですが先週末、子どもを連れて東京・しながわ水族館に行きました。ひと通り館内をめぐったあとに見たイルカショーのBGMに使われていたのが和田さんの「YONA YONA DANCE」。観客がイルカのパフォーマンスと「踊らにゃ損」のメロディーに合わせて手を振って楽しむ演出でしたが、和田さんの歌声が観客の一体感を生み出していたのです。おそらく初めて聴いたであろう幼児や高齢者の中にも、曲調をつかんで口ずさんでいた人もいましたが、これこそ和田さんの持つ歌声の力でしょう。

ここまで「若年層からも支持される歌声」「年下からイジられる懐の深さ」「難病に悩まされながらもステージや番組出演を続けてきた姿勢」「衰え知らずのチャレンジ精神」という4つのポイントから和田さんの印象が激変した理由を探ってきました。

もし今後、和田さんが長年出演し続けてきたテレビから姿を消したら……「この人が元気でないと寂しい」「復帰してほしい」という声が殺到するのではないでしょうか。「NHK紅白歌合戦」に関しても、何度か「もう出ない」と発言してきたものの、聴いてくれる人のことを第一に考える和田さんなら、筋の通ったオファーさえ届けば、通算40回目の出場を受け入れるような気がしています。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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