「脱炭素」太陽光・風力ではどうにもならない現実 今までの経済活動を根底から見直す必要がある

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日本の再生可能エネルギー・脱炭素産業の戦略を考える(写真:Soichiro Koriyama/Bloomberg、Krisztian Bocsi/Bloomberg)
米中貿易戦争により幕を開けた、国家が地政学的な目的のために経済を手段として使う「地経学」の時代。
独立したグローバルなシンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)」の専門家が、コロナウイルス後の国際政治と世界経済の新たな潮流の兆しをいち早く見つけ、その地政学的かつ地経学的重要性を考察し、日本の国益と戦略にとっての意味合いを、順次配信していく。

日本のカーボンニュートラルへの意識変革の遅れ

「2050年のカーボンニュートラル実現」は、2020年末に菅義偉首相(当時)が声を上げたことで一気に注目を浴びるようになった。それを受けて、多くの日本企業が右往左往を始めるという状況にもなっている。

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しかし、すでに日本はパリ協定に2016年4月には署名していたのである。55カ国以上、55%以上の排出量をカバーする国の参加が協定発効の条件だったため、まだ先と踏んでいたようだが、予想を超える多数の国々があっという間に署名し、何と同年11月に発効に至った。

つまり、条約遵守が前提なら、日本は4年前からカーボンニュートラルに取り組んでおくべきだったのだ。

電力分野のカーボンニュートラル

カーボンニュートラル実現が最もやりやすいのは電力分野である。しかしその実現には、太陽光や風力だけではまったく届かない目標であることを認識しなければならない。バイオ発電もコストと量の両面で残念ながら強いオプションにならない。

実は、電力分野の問題の本質はコストよりも「量」にある。日本の平地の狭さと、遠浅の海の少なさがこの問題を深刻にしている。2018年現在、日本の発電の化石燃料が占める割合は77%。再エネを死に物狂いで入れるなら、太陽光を最大25%、未知数の洋上風力も含めた風力発電を最大20%、水力を最大10%と仮に置くと55%まで行くが、それでもまだ22%足らない。人口減で電力需要は減るという意見もあるが、EV(電気自動車)化やオール電化による電力シフトで相殺されてしまう。

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