「いい転職」できる人・できない人の決定的な違い 不安な時代に身につけたい「2つの会計的視点」
「○○ができる権利」というものは、普通に生活しているとあまり意識しないかもしれませんが、身近な自動車保険などはほぼオプションそのものです。毎年支払う保険料は「事故が起きたときにお金を支払ってもらう権利」を維持するためのお金であり、なぜそのような保険料を支払うのかというと、いつどんな事故に巻き込まれて経済的損失を被るかだれも予測できないからです。
このようにオプションという概念には「権利」や「選択肢」という意味だけではなく、「保険」や「リスクヘッジ」という意味合いも含まれます。
明日無職になっても心配ない「食いっぱぐれない力」
では転職という文脈で考えたときのオプションとはなにか。わかりやすくいえば「食いっぱぐれない力」だと思います。つまり、仮に明日無職になったとしても、「とりあえず○○をして稼ぐか」とすぐに思いつくような選択肢をどれだけ持っているかどうかです。
たとえば公認会計士の仕事は、現時点ならいくらでも高待遇の勤め先が見つけられる業界ではありますが、10年20年先に会計士の業務を楽々こなせるAIが登場すれば、会計士の需要は一気に減るでしょう。そのとき、新卒から会計事務所で会計一筋でやってきたような人は、ほかに一切潰しがきかず路頭に迷うかもしれません。
そのようなリスクを回避したいのであれば、会計士として経験を積み、実績もつくったのちに、あえて給与を下げてでも事業会社の財務部に転職するといった方法もあるはずです。そしてそこでも十分経験を積むことができたら、スタートアップ企業のCFOのポジションにつくといった選択肢も出てくるかもしれません。
そこまでいけば、会計士としての道、経営者としての道、コンサルタントとしての道など、複数のキャリアの選択肢を持つ状態をつくることができます。このように片足だけは元の軸に置きながら、もう片方の足で新しいチャレンジをしていくことで、「オプション」は増えていきます。
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