「いい転職」できる人・できない人の決定的な違い 不安な時代に身につけたい「2つの会計的視点」
新型コロナは私たちの生活様式やビジネス環境を強制的に一変させました。大きな変化に巻き込まれ、いままで自分が常識だと思っていたことが覆され、転職を考えている人も少なくないかと思います。
ほとんどの人が転職をする理由は「より良い条件」を求めるためです。たとえば同じ仕事をするのであれば、より待遇のいい会社に転職しようとするのは自由主義経済では当たり前のことで、それ自体は否定しません。しかし、仮に転職に際して条件面しか考慮していないのであれば、それはもしかしたら「短期的」かつ「単眼的」なものの見方で、なにか大切なことを見落としているかもしれません。
そんな見落としを防ぎ、「いい転職」を実現するために役立つのが会計を学ぶことで身に付く「長期的」かつ「複眼的」なものの見方です。今回は「いい転職」を実現するために役立つ2つの会計的視点を紹介します。
自分の「のれん」を意識する重要性
まず、自分のキャリアを考えるうえでぜひ意識したい会計的視点のひとつが「のれん」です。以前の記事でも少し触れましたが、「のれん」とは財務諸表のBS(貸借対照表)のなかで使われる勘定科目のひとつで、企業を買収したときに買収先の企業が持つ技術力やブランド、人脈といった、「目に見えない価値」を金銭的価値として数値化したもののことです。目には見えませんが会計上はれっきとした資産であり、BS上では「無形固定資産」として仕訳されます。
会計の世界で「のれん」が使われるのは基本的に買収先の企業に対してのみです。「うちの会社は腕のいい職人がたくさんいる。彼らを会社の資産としてお金に換算したら何億円だ」といった自己申告は認められていません。
しかし、個人レベルで「第三者から見て自分ののれんはいくらなんだろう?」という視点を持っておくことは、転職を考えている人、独立を考えている人、もしくは大きな組織で出世を目指している人にとって非常に有意義なことだと思うのです。
考えてみれば当然で、希望転職先の採用担当者をはじめ、あなたを評価をする人は仕事として評価をするだけであって、「この人のことのすべてを知りたい!」といった熱い思いなど持っていません。職務経歴書や面接といった限られた情報のなかでイエスかノーかの判断を下すのが彼らの仕事です。
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