避けられない「株価の暴落」はいつ起きるのか 早ければ11月8日以降すぐに「Xデー」は来る?

印刷
A
A
パウエルFRB議長と談笑するバーナンキ元議長(右)。同氏が議長時代の2013年5月、テーパリングを表明したことで市場は混乱したが、今回は今のところ静かだ(写真:AP/アフロ)

11月3日、FED(アメリカの中央銀行)は、国債などの資産買い入れ額の減少、いわゆるテーパリングを今月後半から開始し、来年半ばに終了する見込みだと、FOMC(連邦公開市場委員会)の声明文で表明した。

FRB(連邦準備制度理事会)のベン・バーナンキ元議長がテーパリングを表明したとき(2013年)、市場は狂ったように反応し、株式は暴落した。しかし、今回はまったくの無風だ。むしろ、NYダウ平均株価はFOMC声明文発表後、わずかではあるが上昇に転じたし、為替も少しだけドル安となったが、大きな動きはなかった。

市場は「タイミング」を計っている?

なぜだ?

これは、一般的には「これまでFEDが丁寧にテーパリングを2021年末ごろから開始することを市場に織り込ませてきたからだ」と解説されるだろう。実際、今回の声明文は、事前に市場関係者ほぼ全員が予想していたとおりで、サプライズはひとつもなかった。わずかな文言の強弱においてすら意外な表現はなかった。

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

まさにビューティフルなまでにノーサプライズだ。したがって、市場もまったく無反応なのはむしろ当然で、FEDによるテーパリング開始は市場にはまったく影響がなかったし、今後もないだろう、というのが市場関係者の見方だし、投資家は動揺どころか、FEDの動きにはまったく無関心であり、今後は別の要素に関心が移っていくだろうと解説されている。

しかし、本当だろうか?

常識と市場が食い違っている場合、それはつねに市場が間違っていることを意味する。正確に言えば、市場は、現実を受け止めるのに、タイミングを計っているか、あるいは拒否しているのである。

極端な例は、2008年に起きたリーマンショックだ。同ショックが起きなくとも、2007年8月の欧州でのパリバショックで、リスク資産市場のバブル崩壊は決定していたのに、その事実に全面降伏するには、リーマンを救済しない、という厳然たる現実が必要だった。

次ページ投資家は少しずつ売っていく
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
平気で「おにぎり」を買う人が知らない超残念な真実
平気で「おにぎり」を買う人が知らない超残念な真実
三井物産、肝煎りの「ロシアLNG」で正念場
三井物産、肝煎りの「ロシアLNG」で正念場
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
ファミマと伊藤忠が狙う「セブン-イレブン1強体制」打破の勝算
ファミマと伊藤忠が狙う「セブン-イレブン1強体制」打破の勝算
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT