避けられない「株価の暴落」はいつ起きるのか 早ければ11月8日以降すぐに「Xデー」は来る?

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競馬である。

この週末は、世界最大の競馬イベントがある。凱旋門賞でもドバイワールドカップでもない。アメリカのブリーダーズカップ(BC)である。アメリカでは、この日が今シーズンのクライマックスであり、少なくとも東部では、今年の重要なレースはこれで終わりである。

2歳戦牡馬・牝馬、スプリント、マイル、クラシックなど、2日間でなんと13ものG1レースが行われる。現在でも、世界最大の賞金総額のイベントであり、世界の競馬の中心はいまだアメリカだ。

メインはダートで、最高賞金総額600万ドルのBCクラシックはダート2000メートルである。そもそも、同国では、もともとは地域ごとに競馬が施行されており、監督も州ごとであり、ラシックスなどの薬物の使用許可のルールも州ごとに異なっていた。

1970年代以降、競馬ブームが下火になると、再興を目指して、全米統一レース的なイベントを目指して、1984年にBCが創設された。各地域、持ち回りで開催され、西部での開催はハリウッドパークで行われてきたのだが残念ながら競馬は下火で、かつ地価の高騰、他のイベントが隆盛となったことでハリウッドパークは閉鎖、解体されてしまった。今では、西部開催のときはデルマー競馬場で行われており、今年はその年に当たる。

ラヴズオンリーユー参戦のBC牝馬限定戦に大注目!

珍しく、今年のBCには、日本馬が多数参戦するが、これは東部では時差、移動距離が大きすぎて参加は難しいものの西海岸ならアジアからも行きやすい。一方、欧州からは逆に行きにくいため、ここはチャンスと見て、参戦したのだろう。

また、日本の競馬会は一般に凱旋門賞に極端にこだわりがあるが、今年多数の馬を参戦させる森秀行調教師、矢作芳人調教師は、アメリカ指向のところがあり、矢作師は以前から「凱旋門賞よりもブリーダーズカップをいつかは勝ちたい」と常々言っていた。

その矢作厩舎からは、ラヴズオンリーユーが芝の牝馬限定戦BCフィリー&メアターフ(日本時間7日5時59分発走予定、牝馬限定の芝2200メートル、賞金総額200万ドル)に参戦する。

アメリカのウォーライクゴッデスがおそらく現地では1番人気、2番人気はラヴなど欧州勢だと思われる。アメリカの芝馬は手薄だから、例年ならば欧州勢が席巻するのだが、前述のとおり西海岸では参戦する数も減る。また最有力馬は、ターフ(牡牝混合の2400メートルのレース、賞金総額400万ドル)に出走するため、かなり手薄なメンバーだ。

ただし、アメリカの競馬場はすべて左回りですべて小回り。そして、ダートがメインだから、ダートが外回り、芝は内回りコースとなる。その結果、デルマーの芝の直線の長さは200メートル台しかない。先行して好位につけ、かつ一瞬の切れる脚もないといけない。札幌競馬場よりも実質的に追える距離が短いので、力が上でも確実に勝てるとは言えないだろう。ということで、私はウォーライクゴッデスを本命とする。「逆神小幡」と言われているので、日本のファンには朗報だろう。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

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おばた せき / Seki Obata

株主総会やメディアでも積極的に発言する行動派経済学者。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現・財務省)入省、1999年退職。2001~2003年一橋大学経済研究所専任講師。2003年慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應義塾大学ビジネススクール)准教授、2023年教授。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。著書に『アフターバブル』(東洋経済新報社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(同)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『ネット株の心理学』(MYCOM新書)、『株式投資 最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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